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『VALORANT / ヴァロラント』(以下、『VALORANT』)が上手くなりたいなら、宿題を片付けなければならない。
『Counter-Strike: Global Offensive』と『オーバーウォッチ』を組み合わせたこのゲームは、各エージェントのアビリティーとマップについての深い知識と高精度の射撃能力が必要になる。エージェントのアビリティーと射撃能力だけでは不十分で、この3つの条件をすべて揃えていなければならない。というわけで、今回はマップ《バインド》の詳細をチェックしていこう。
全体
《バインド》は『VALORANT』屈指のオープンマップなので、成功を収めたいならスペースを上手く管理する方法をマスターするする必要がある。他のマップでは広い視野が得られるポイントやブラインド、攻撃すべきエリアなどが明確に理解できるが、《バインド》ではそのようなポイントやエリアを理解するよりもマップ上に複数存在するルートを理解する方が重要になってくる。
また、《バインド》には非常に興味深いギミック、テレポーターが設置されている。ここに他のマップよりオープンであることを加えると、射撃スキルより各エージェントのアビリティーに頼るケースが多くなる。もちろん、優れた射撃スキルが重要なことに変わりはないが、このマップでは、各エージェントのアビリティーを最大限活かさなければならない局面が多い。
“スパイカメラ” をテレポーターに仕掛けられる【サイファー】はこのマップに最適なエージェントのひとりだろう。 “バリアオーブ” でテレポーターの出口を狙える【セージ】や “クラウドバースト” を備えた【ジェット】も役立つはずだ。
ギミック
《バインド》最大のギミックは2台のテレポーターで、これらを使えばマップ内をスピーディに移動できる。どちらのテレポーターもガード、またはブロックされている可能性が高いので注意が必要だが、上手く使えれば、敵に急襲を仕掛けられる。
最初のテレポーターはスパイク設置エリアAの南側に位置しており、マップ中央を突き抜けるように移動できる。簡単に説明するなら “壁抜け” 的テレポーターで、スパイク設置エリアAに向かっている途中で急遽スパイク設置エリアBへ向かってスパイクを排除する必要が生じた場合などに効果的だ。非常に便利だが、テレポーターというよりは一方通行の通路のような印象を受ける。
2つ目のテレポーターはスパイク設置エリアBのすぐ下、マップ西端に位置しており、アタッカーのスポーンエリアからほど近いマップ南東角にテレポートできる。このテレポーターを使用すると進行中のゲームから切り離されたような感覚を得るが、スピーディに動けばこのテレポーターの出口から最初のテレポーターへ向かい、別の方向からスパイク設置エリアBへ戻れる。また、マップ中央をうろついている敵エージェントを仕留めるチャンスも得られる。
このテレポーターはリスクが高く、数的優位を作れていなければ役に立たないとも言えるが、頭を使って動けば敵を完全に錯乱させることができる。
スパイク設置エリアA
スパイク設置エリアAではAタワーが大きなカギになる。ディフェンダー側は必ずひとりは配置しておきたい。ここに誰も配置しないで良いのは、スパイク設置エリアBですべてのアクションが起きている時だけだ。その時でも、人数に余裕があるなら、スパイク設置エリアAに配置しておく価値はある。テレポーターが積極的に使用されている時は特にそうだ。
Aタワーでは、スパイク設置エリアAヘのアタックルート2本(A浴場・Aショート)を見渡せる視野が手に入る。この2ルートを敵に使わせなければ、スパイク設置エリアAはまず陥落しない。
とはいえ、これでアタッカーが詰むわけではない。Aショートからプッシュして、Aランプ、または上手く回り込んでAタワーを狙っていこう。スパイク設置エリアAに複数で侵入できれば、Aタワーから狙われるよりも先にエリア中央のカバーに辿り着ける可能性がある。しかし、これもリスキーであることに変わりはない。
もうひとつのA浴場だが、当然ながらここに人数をかけるのはNGだ。AショートとAランプにはある程度のスペースがあり、隠れられるコーナーもあるが、A浴場は狭隘な通路だ。Aタワーから狙われていて、しかもA浴場の上方にパワフルなアビリティーを持っているディフェンダーが配置されていれば、人数を割けば割くだけ全滅する確率が高まるだろう。
《バインド》のアタッカーはスパイク設置エリアBをまず狙うはずだが、それゆえにスパイク設置エリアBには大量のディフェンダーが待ち構えている可能性が高い。よって、ディフェンダーがスパイク設置エリアBに執着しているようなら、スパイク設置エリアAから狙っていくべきだろう。ただし、これはギャンブルになる。
スパイク設置エリアB
スパイク設置エリアBは非常に興味深いエリアだ。ディフェンダーが広い視野を得られる高所がいくつも存在するが、5人ですべてを抑えることはできない。スパイク設置エリアAとテレポーター2台も警戒しなければならないことも踏まえれば、まず不可能だ。
マップ中央のテレポーターの出口付近は、ここから出てくるアタッカーを狙うのに絶好のポジションと言える。しかし、スパイク設置エリアBに非常に近いため、ここにいるディフェンダーはスパイク設置エリアBの銃撃戦に気を取られる可能性が高い。つまり、テレポーターから出てきたアタッカーがディフェンダーをキルできるチャンスもあるのだ。
このテレポーターは優秀なゲームデザインとは言えないが、接近戦やエキサイティングなゲームプレイが確認できるときがある。
もうひとつのテレポーターを使うためには、ディフェンダー、アタッカーを問わず、Bロングを取る必要がある。アタッカー側は射線が長く取れるので中長距離の武器が必要になるだろう。一方、ディフェンダー側は、Bガーデンに陣取りつつ、Bロングの終端のコーナーと高所を活用していく必要がある。
アタッカー側は、Bガーデンまでプッシュしたあとはスパイク設置エリアBへ向かうか、Bエルボーを経由してBホールへ回り込むことになる。そのため、Bエルボーも非常に重要なポイントになる。ここはテレポーターまでの射線が取れるだけではなく、スパイク設置エリアBを狙うチャンスとBウィンドウから出てくる敵を狙えるチャンスも得られる。
スパイク設置エリアBの方が攻撃の選択肢が多く、アタッカー側に有利だ。しかし、ディフェンダーがここを上手く防衛する方法をマスターできれば、アタッカーは打つ手がなくなる。瞬間移動できるテレポーターが設置されている《バインド》攻略の最大のカギになるのは「敵チームがターゲットを切り替えるタイミングを学習し、スピーディかつ効果的に対応する」だ。テレポーターの音がターゲットを切り替えたかどうかを判断する目安になるので、耳をそばだてておきたい。