Gaming
まず、『VALORANT』とはマインドだ。私たちはアドレナリンラッシュ、最後まで諦めない闘争心、そして願わくは甘美な征服感を得る。
より具体的に説明するなら、『VALORANT』とは、ロサンゼルスに本社を置くRiot Gamesのスタッフが開発した基本プレイ無料のファーストパーソン・タクティカル・シューター(FPS)だ。
2014年に開発が始まり、2019年に『プロジェクトA』というコードネームでその存在が明らかになったあと、2020年6月2日にWindowsで製品版がリリースされ、さらにはPlayStation 5とXbox Series X|Sでもリリースされた。
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タクティカルシューターとは?
ファーストパーソンあるいはサードパーソンのシューティングゲームから派生した『VALORANT』のようなタクティカルシューターは、戦術と作戦にフォーカスしている。また、各武器のディテールやプレイヤーのスタミナを含むリアリズムを追求したゲームプレイと物理演算も大きな特徴となっている。
『コール オブ デューティ』のようなシューターが派手な爆発やユニークなキルにフォーカスしているのに対し、タクティカルシューターはその名の通り、戦術・作戦が重視されている。『VALORANT』は筋力よりも知力のゲームなのだ。
『VALORANT』は『カウンターストライク:グローバルオフェンシブ』(『CS:GO』)のようなタイトルからインスピレーションを得ており、集弾パターンやアイテムメニュー、移動中の射撃精度などのシステムを流用している。また、『Arma 3』からもインスピレーションを得ている。このタイトルは究極のリアリズムで知られており、そのリアルさから現存する軍隊のシミュレーショントレーニングに採用されている。
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ゲームプレイ
近未来を舞台にしたキャラクターベースのタクティカルシューターとして開発された『VALORANT』では、銃撃スキルとエージェントのアビリティを組み合わせてプレイする必要がある。
プレイヤーは、エージェント(現実世界からインスピレーションを得ているユニークなキャラクター)が集まったチームのひとりをプレイする。各エージェントには固有のアビリティと、キルやオーブの収集、またはオブジェクトの破壊によってチャージされるアルティメットアビリティが備わっている。通常、プレイヤーはアタッカーまたはディフェンダーとしてプレイし、目標達成のために敵をキルする。
エージェントは4つのロール(デュエリスト / センチネル / イニシエーター / コントローラー)に分類されている。それぞれに得意・専門領域があり、対戦ごとに最適なエージェントを選ぶことが成功と失敗を分けることになる。
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エージェント
もちろん、最初から全エージェントにアクセスできるわけではない。アカウント作成後は5人のエージェント(すべてのロールがカバーされている)のみが使用できる。ゲーム内通貨のキングダムクレジットを使用すれば他のエージェントも解放できる。キングダムクレジットは、ゲームをプレイするか特定のデイリー / ウィークリータスクを完了することで獲得できる。
エージェントのロールを解説していこう:
デュエリスト
自己完結型エージェントのデュエリストは、サイトへのエントリーやクリアリング、交戦、キルを得意としている。長距離をクイックに移動できるこのロールの最優先目標は敵の数を減らすことだ。当然ながら、このようなデュエリストは攻撃の先陣を切るときが多い。アビリティ《テイルウィンド》を備えている[ジェット]は機動力に優れており、非常に人気が高いデュエリストのひとりだ。
イニシエーター
チームの頭脳を担うイニシエーターは、敵の位置を含む情報収集やフラッシュなどアビリティを得意としている。イニシエーターが収集する情報によって、チームはより速やかに目標を達成できるようになる。シンプルで使いやすいアビリティを備えている[KAY/O]はベーシックなイニシエーターで初心者向きと言える。
センチネル
チームの守護神センチネルは、アビリティでマップの分断やルートの削減をすることで、敵を妨害することを得意としている。《ナノスワーム》をはじめとする使いやすくて強力なアビリティを備えている[キルジョイ]は、『VALORANT』最強センチネルのひとりに数えられている。
コントローラー
コントローラーはクラウドコントロールを得意としており、エリアに影響を与えるアビリティで敵から隠れたり、敵を妨害したりする役目を担う。スモークや火炎瓶、フラッシュ、スタングレネードなどでチームを隠しつつ、敵に奇襲を仕掛けるチャンスを作り出す。[オーメン]は最も万能なコントローラーのひとりとして評価されている。
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ゲームモード
『VALORANT』にはランクマッチ以外に8種類のゲームモードが用意されている。
アンレート
『VALORANT』の基本モードで、13ラウンドを先取したチームが勝利する。攻撃側(アタッカー)はスパイクと呼ばれる爆弾を所有しており、これを複数のサイトのひとつに設置して爆発させる。設置から45秒経過すると爆発し、ポイントを獲得できる。スパイクの設置と爆発を防ぐことが防衛側の目標となる。
スパイクラッシュ
【アンレート】と基本的には同じだが、13ラウンドではなく4ラウンド先取で勝利となる。プレイヤーたちはラウンドごとにアルティメットを除くすべてのアビリティがフルチャージされた状態でスタートする。
スイフトプレイ
【アンレート】の短縮版。10人が2チームに分かれ、攻撃側はスパイク設置を狙い、防衛側は解除を狙う。5ラウンド先取で勝利となる。【アンレート】は通常40分ほど必要だが、このモードは15分ほどで終了する。
PREMIER
これはゲーム内のトーナメントシステムで、プロを目指すプレイヤーたちのために新たに用意されたモードだ。同じディビジョンのチーム同士で対戦し、シーズンは数週間で構成されている。上位チームはDivision Championship出場権を獲得し、勝利すれば昇格できる。
デスマッチ
タイトルからすべてが理解できるだろう。14人で9分間のフリーフォーオールをプレイし、最初に40キルをマークしたプレイヤーが勝利する。各プレイヤーはランダムに選ばれたエージェントをプレイし、当然ながらアビリティは使用できない。
チームデスマッチ
デスマッチと同じだが、5人ずつの2チームに分かれる。また、時間は9分30秒で、キル数は100となっている。
エスカレーション
『CS:GO』や『コール オブ デューティ:ブラックオプス』からインスピレーションを得ているこのモードは、チームで12レベルに分けられている武器をレベルアップさせていく。次のレベルに進むためにはキルを重ねる必要がある。12レベルを完了させたチームまたは10分間でより多くのポイントを獲得したチームが勝者となる。
レプリケーション
同じチームの5人が投票によって決めた同じエージェントを使用する。5ラウンド先取で勝利となるが、4ラウンド終了後に攻守が交代する。
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ランクマッチとチート対策
『VALORANT』のランクマッチは “コンペティティブ” と表記される。スコアが記録され、世界中のプレイヤーたちと順位を競い合うこのモードは、世界の全プレイヤーにトップチームで活躍するチャンスを与えてくれる。
ゲームプレイは【アンレート】と同じだが、勝利によってランキングが変動する。このモードをプレイするためにはアカウントレベル20以上が必要になる。ランクはアイアンからレディアントまでの9ランクで、レディアントが最高ランクに設定されている。
また、チート対策として、『VALORANT』にはソフトウェアVanguardがインストールされており、アンフェアなプレイを防いでハイレベルな競技性を保っている。
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コミュニティ
『VALORANT』には活気溢れるオンラインコミュニティが存在しており、メッセージボードやフォーラム、攻略動画やブログなどが展開されている。
また、【Red Bull Home Ground】やRiot Gamesが主催するVALORANT Champions Tour(VCT)のようなビッグイベント / トーナメントも開催されている。後者はシーズン制のトーナメントで、Champions(世界選手権))、Masters(ミッドシーズン)、Challengers(Mastersの出場権を得るための地域予選)に分かれている。
また、Americas / EMEA / Pacificのリーグパートナー以外のチームが参加できるリーグAscensionも存在する。
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はじめかた
先述した通り、『VALORANT』はWindows / PS5 / Xbox Series X|Sでプレイできる。但し、『VALORANT』は、Microsoftのオペレーティングシステムの最小システム要件に含まれるTPM(Trusted Platform Module)2.50準拠の暗号プロセッサが非搭載で、UEFIセキュアブートが無効なWindows 11では動作しないので注意が必要だ。
『VALORANT』はplayvalorant.comからダウンロードしてすぐにプレイできる。
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最後に
『VALORANT』は可能性が無限に広がるエキサイティングなビデオゲームだ。エージェントのアップグレードも、プレイするゲームモードも、そしてインターナショナルレベルでプレイしたいかどうかもすべて自由に選ぶことができる。FPSをより知的にプレイしたい人を『VALORANT』はいつも支えてくれる。
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