フラットウォーター・カヤッキングはイージーなスポーツだが、そのネクストステップに位置するアドレナリン満載のホワイトウォーター・カヤッキングはさすがに無理だと思っているなら、考え直した方が良い。
現在35歳で複数のタイトルを獲得しているカヌースラロームチャンピオン、ヤナ・ドゥカトバは、スロバキア期待の新世代フラットウォーターアスリートだったが、14歳の時にホワイトウォーターへ転向した。
「フラットウォーターは退屈すぎると感じていました」と当時を振り返る彼女は、現在はホワイトウォーター女子最強アスリートのひとりに数えられている。
今回は、ベテランアスリートの彼女がホワイトウォーター・カヤッキングの魅力と必要なスキルなどについて説明してくれた。
― ホワイトウォーターはフラットウォーターと比べてどこが面白いのでしょうか?
フラットウォーター・カヤッキングは非常に美しいスポーツですが、激流でのパドリングにトライしてみれば、別次元のカヤッキングが味わえるようになります。急流では常に新しい何かが待っています。新しいチャレンジに出会えるのです。
ホワイトウォーターではふたつとして同じ体験はしませんし、サーフィンしたり、ロールしたり、滝からドロップしたりと、様々な楽しみ方ができます。上達するにつれて、新しくて楽しいことを学べるようになります。飽きることはありません。
― ホワイトウォーター挑戦前に身に着けておくべきフラットウォーター用スキルはありますか?
カヤックを好きな方向に進ませられるようになっておく必要があります。
このスキルは、当然フラットウォーターでも必要ですが、ホワイトウォーターではフラットウォーターより素早く上手にカヤックをコントロールできる必要があります。
なぜなら、ホワイトウォーターでは、回避しなければならない障害物が次から次へと姿を現すからです。
― ホワイトウォーターならではのテクニックはありますか?
フラットウォーターでは、カヤックを水平に保てればそれでOKですが、ホワイトウォーターでは、カヤックをリーンしてエッジング(エッジに乗る)する必要があります。
カヤックをコントロールし続ける必要もあります。流れに乗り続けなければならないからです。
また、エスキモーロールも学んでおくと大きな助けになるでしょう。カヤックがひっくり返ってもすぐにリカバリーできることが分かっていれば、その分だけ自信が増し、その分だけ成長スピードが高まります。
― そのようなテクニックはどこで学べるのでしょう?
今話したようなスキルは全て屋内プールで学べます。安全で水温も高いので、屋内プールから始めるのがベストです。ですが、実際に身に着けるには、流れの中で練習を積み重ねる必要があります。
― ホワイトウォーターにチャレンジする前にチェックしておくことは他にありますか?
水泳のスキルを高めておく必要がありますね。あとは、ホワイトウォーターの流れの読み方と安全確保の方法も学んでおくべきです。
― 自信があれば誰でもホワイトウォーターへ転向できますか?
他のアドレナリン系スポーツと同じで、自信は非常に重要です。ホワイトウォーターに恐怖心を抱いている限り、このスポーツはマスターできないでしょう。ですが、自信過剰は危険です。ホワイトウォーターは非常に強烈ですので。
― フラットウォーターからホワイトウォーターに転向した時期やきっかけについて教えてください。
数年間フラットウォーターレースを楽しんでいましたが、14歳の時に人工ホワイトウォーターコースが地元ブラチスラバにできたんです。そして、その激しい流れを見た瞬間、ホワイトウォーター転向を決めました。
フラットウォーターのパドリングスキルにはかなり自信がありましたが、そのホワイトウォーターコースのグレードは3~4だったので、ビギナーにはレベルが高すぎました。
ですので、最初はドルニー・クービンのグレード1~2のコースと、リプトスフキー・ミクラーシュのグレード2~3のコースで練習を重ねました。
― 初心者はどのグレードから始めるべきでしょうか?
簡単なグレードから始めるべきですね。ホワイトウォーターでは “イージースタート&ストロングフィニッシュ” が基本です。ですので、初心者ならグレード1~2のコースからスタートして、流れの読み方を学びましょう。
快適にパドリングできるようになったら、次のグレードへステップアップしましょう。実際、ステップ・バイ・ステップの方が楽しいですよ。
ホワイトウォーター初心者がいきなりグレード3に挑戦すれば、楽しいパドリングというよりも、生死を賭けたパドリングになってしまいますし、長い目で見てプラスには働きません。
― 初心者が犯しがちなミスを教えて下さい。
良く見られるミスは、「簡単なグレードでの練習を軽視・無視する」ですね。カヤッキングをずっと楽しみたいのなら、基礎をしっかり作ることが非常に重要です。
もうひとつのミスは、カヤックの選択ですね。カヤックの容量が自分の体重に合っていなければ、コントロールが難しくなってしまいます。正しいカヤックを手に入れれば、全てが簡単になります。
― どうやってホワイトウォーター・カヤッキングをレベルアップさせていけば良いのでしょう?
低グレードのコースですべてのムーブを安定して行えるようになったら、ひとつ上のグレードで同じことができるか試してみましょう。
ホワイトウォーターの激しさを問わず、基本は常に一緒です。むしろ、流れが大きくて激しくなるほど、ムーブの精度が問われるようになります。なぜなら、流れが速ければ速いほどパワーが増すので、ひとつのミスが命取りになるのです。
― 友人をあっと言わせることができるトリックやテクニックがあれば教えてください。
カヤックでのサーフィンですかね。川で発生する大きな波の上に乗るのはとても楽しいですし、ルックスもクールです。波に乗りながら、同じポジションをキープするのが面白いですね。
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