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2022シーズンのLeague of Legends World Championshipが終了したが、ファイナルは最高の内容になった。米国カリフォルニア州サンフランシスコでT1とDRXが全力でぶつかり合い、ここ何年も見られなかった『リーグ・オブ・レジェンド』史上最高クラスのスリルと驚きを提供してくれた。
この対戦は重要かつエキサイティングになることが約束されていた。
まず、『リーグ・オブ・レジェンド』のレジェンドチームT1(韓国第2シード)はあの “不死大魔王” ことLee “Faker” Sang-hyeokが率いており、一方DRX(韓国第4シード)はクォーターファイナルから下馬評を覆し続けていた。
また、Fakerが4回目の頂点を目指していた一方、DRXの主軸Kim “Deft” Hyuk-kyuは初の頂点を目指していた。そして今回はDeftにとって最後のWorld、つまり彼の “ラストダンス” になることが予定されており、彼はファンに対して長いキャリアを優勝で終えることを約束していた。
素晴らしいオープニングセレモニーのあと、ファンはこの注目のファイナルがどのような展開になるのか固唾を飲んで見守った。その多くはT1の完勝を予想していたはずだ。しかし、Worlds 2022を最初からフォローしていたファンは、DRXを除外してはいけないことを知っていた…。
ゲーム1
ゲーム1のファーストブラッドはDRXが取ったが、T1がすぐにゲームの主導権を奪う。そのきっかけとなったのが、Lee “Gumayusi” Min-heongの【ヴァルス】の《乾坤一擲》による素晴らしいドラゴンスティールだった。計算されたプレイが続くスローペースのゲーム1において、このプレイは数少ないスリリングな瞬間のひとつだった。
T1はその後もオブジェクトにフォーカスし続け、20分過ぎにはバロン・ナッシャーを倒すと、その直後にドラゴンソウルへ向けて前進。DRXのベースが総崩れになるとT1はまとまってネクサスへ進軍し、30分過ぎに勝利を手にした。
逆襲のDRX
DRXのクォーターファイナルとセミファイナルから学んだことがあるとするなら、それは彼らが絶対に諦めないことだろう。ゲーム1をワンサイドゲームで落とし、ゲーム2のアーリーゲームも苦しんだが、DRXは戦わずに諦めることを拒んだ。そして彼らはゲーム2の15分過ぎに初めて主導権を握る。
Hong “Pyosik” Chang-hyeonとHwang “Kingen” Seong-honnがトップレーンで不用意だったFakerをキルしたのだ。その後、Choi “Zeus” Woo-jeが素早くテレポートし、Ryu “Keria” Min-seokが【ラックス】のultでアシストしたが、DRXはボットレーンも手に入れた。
Fakerへの素早い奇襲がチームファイトへ拡大し、T1のソロレーナー2人をキルしたことで、DRXはリフトヘラルドを手に入れた。その後、DRXは狙いすましたスカーミッシュでキルとオブジェクトをさらに手に入れると、Kingen、Kim “Zeka” Geon-woo、Deftにコインを投入。44分にバロン・ナッシャー周辺でファイトが発生すると、DRXのキャリー陣はT1を完全に上回ることに成功して1-1のイーブンに戻した。
T1が王手
ゲーム3は両チームがタンキーな前線とクラウドコントロールを選択。そのため、すべての注目はボットレーンに集まった。ボットレーンではDeftが《カリスタ》を持ち込み、両チームのボットレーナーは機動力のないチャンピオンをプレイ。この結果、ファーストブラッドはボットレーンのDeftがジャングラーのPyosikのアシストを得て記録した。
慎重でスローな展開となったゲーム3はDRXがややリードを保っていた。しかし、T1のMun “Oner” Hyeon-junが24分にPyosikからバロン・ナッシャーを奪うと流れが変わる。
ほぼイーブンだった流れが一気にT1へ傾き、T1はバロンキルのあと約5,000ゴールドを稼ぎ出す。30分過ぎ、T1はドラゴンソウルを確保し損ねるが、それでもバロンをDRXから再び奪取することに成功。これがDRXにとって最後の一矢となり、T1とバロンによってバフされた彼らのミニオンにベースを明け渡してしまった。
DRXが逆王手
ゲーム4は、T1がよりアグレッシブなチーム編成を選択し、Fakerをプレイメーカーに据え、Zeusに【フィオラ】で活躍するチャンスを与えた。一方、DRXは厳しいピック&バンで【エイトロックス】、【アジール】、【ヴァルス】を確保。ファーストブラッドはボットレーンでKeriaがマークした。
その後、Deftにフラッシュがなかったため、Onerがすぐにボットへ移動してT1にセカンドキルをプレゼントするが、マップの逆サイド、トップレーンではKingenとPyosikが2キルをマーク。
DRXはさらにドラゴン2体、リフトヘラルド、そして全てのレーンのタワーを制してアドバンテージを重ね続け、最後にはドラゴンソウルとバロン・ナッシャーも手に入れた。まるでゲーム1のT1のようなクイックでクリーンな戦いを見せたDRXがゲーム4を制し、ファイナルはゲーム5へもつれ込んだ。
最終決戦
Worlds 2022のファイナルゲームは、DRXのクラウドコントロールとT1のキャリーという構図になった。
DRXのCho “BeryL” Geon-heeが【バード】、PyosikとKingenが【へカリム】と【エイトロックス】をピックした一方、T1は与ダメージ量にフォーカスして、【ビクター】と【ヴァルス】をピック。Onerが先を読んだプレイでT1にファーストブラッドをもたらしたが、トップレーンではKingenがZeusとの1v1を制した。
10分を迎えるまで両チームはゴールド、キル、ドラゴンの数で完全に並んでいたが、ここからミッドレーンをきっかけに流れが変わり始める。Pyosik、Kingen、Zekaがミッドレーンのタワーを包囲しつつT1に襲いかかって4キルを積み上げると、DRXはバロン・ナッシャーへターゲットを切り替えた。
しかし、そこにはGumayusiが待っており、ゲーム1と同じように《乾坤一擲》でDRXからバロン・ナッシャーを奪取。バロンを手に入れたことでT1はゴールドリードを築くことに成功するが、25分過ぎまで主導権はどちらのものでもなかった。
DRXのゲーム5の勝因はエルダードラゴンだった。40分過ぎにこのドラゴンを手に入れた彼らは《ドラゴンの神髄》を得てT1のベースへ進軍。そのまま勝利してワールドチャンピオンの称号を手にした。
DRXはWorlds 2022で信じられない勝ち上がりを見せ、プレイインからサモナーズカップを手にした史上初のチームとなった。おそらく彼らの優勝までの道のりはWorlds 2022で最も厳しいものだったはずだ。
Worlds 2022のDRXは格下としてLCKとLPLのトップチームと何回も対戦しなければならなかったが、ディフェンディングチャンピオンのEDG、韓国第1シードGen G、そしてレジェンドチームT1を下して世界の頂点に立った。
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