ここが「死の道」と呼ばれる理由は一目瞭然
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MTB

下を見たら負け! 恐怖のMTBトレイル 7選!

危険を伴うトレイルから、ほとんど攻略不可能に近いトレイルまで ― 世界各地の恐怖のトレイルを一気に紹介!
Written by Rachel Verity
読み終わるまで:5分Published on
「ザ・リッジ」を制したダニー・マカスキル

「ザ・リッジ」を制したダニー・マカスキル

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常に進化を遂げるMTBの世界には、限界に挑み続けるライダーたちが必ず存在する。よって、世の中には世界各地で途方もないほど長い距離を駆け巡り、想像を絶するほど急峻で荒々しいトレイルを発見してしまうライダーたちがいる。
そんなライダーたちが発見した恐怖に満ちた世界の超絶トレイル群を以下にまとめておいたので、いつか走ってみたいトレイルをリストにまとめている人たちは、是非チェックしてリストを更新してもらいたい。
1.ユンガス・ロード
ここが「死の道」と呼ばれる理由は一目瞭然

ここが「死の道」と呼ばれる理由は一目瞭然

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場所:ラパス/ボリビア
恐怖ファクター:ユンガス・ロード、またの名を「デス・ロード(死の道)」として知られるこの道は、バイク専用トレイルではないのだが、世界中のMTBライダーたちが一度は訪れてみたいと願うトレイルのひとつだ。また、ハードコアなバックパッカーたちの間でも聖地として扱われている。
途中にほんの短い登りがある以外、このトレイルは全長64kmにもおよぶ荒れたダウンヒルダートトラックになっている。それだけでもこの場所が今回リスト入りした理由が分かるはずだが、急激な落差を持つドロップや危険きわまりないヘアピン、荒れまくった路面を実際にアタックしてみれば、なぜこのトレイルが「世界で最も危険な道」と呼ばれるのかが身をもって理解できるだろう。
2. ザ・クリフ・オブ・モハー
場所:アイルランド西海岸
恐怖ファクター:トレイルというよりは、切り立った崖から突き出たレッジ(岩棚)と言ったほうが正しいかもしれない。このザ・クリフ・オブ・モハー(モハーの断崖)と呼ばれる場所は、大西洋の荒波から700mもの高さでそびえる断崖絶壁で、海からの強風が容赦なく吹き付け、極端に狭い岩棚を踏み外せば眼下の海へと真っ逆さまだ。まさに恐怖満点のトレイルだ。
ハンス・レイ、そして彼と同郷のMTBヒーロー、スティーブ・ピートの2人は、2006年にこの断崖にトライするという狂気の発想を実行に移した。幸いながら、彼らの後にこのトレイルに挑んだライダーはいまだ現れていない…。
念のために言っておくと、僕らのバックパックにパラシュートは装備されていなかった。一部の人は僕らがパラシュートを装備していたと信じていたようだがね。ただ気力だけで乗り切り、母なる大自然の慈悲を願ったまでさ
ハンス・レイ
3. ハイヤー・マリタイム・アルプス
場所:アルプス山脈南西部/フランス
恐怖ファクター:MTBトレイルの宝庫として知られるアルプス山脈南西部には、世界で最も過激なライダーたちさえも満足させてしまう急峻トレイルがある。MTBライダーのジェームズ・マクナイトはその事実を証明しようと、このハイヤー・マリタイム・アルプス(マリティーム・アルプ山地)に挑んだ。そして彼は限界を超越し、限界という定義そのものをまったく新たなレベルに引き上げてしまった。
「ハイヤー・マリタイムのトレイルを説明しようにも、適切な言葉が見つからないんだ」と語るジェームズ。「でも、いくつかの言葉は僕の脳裏に浮かんできたよ。それらはつまり、『人を寄せ付けない』、『先が見えない』、『技術的要求が高い』、『慎重』ってところかな」
たしかに、このトレイルを表現するにはこれ以外にはさほど多くの言葉は必要としないだろう…。
4. ポーキュパイン・リム
場所:ユタ州/米国
恐怖ファクター:一見すると、このポーキュパイン・リムは他の上級者向けのテクニカルトレイルとさほど変わらないように見える。しかしながら、この厳しく無慈悲なロックドロップを下りはじめれば、全身の毛が逆立つような恐怖のシングルトラックが3マイル(約4.8km)に渡って続いているという事実に愕然とするはずだ。しかも、この急峻な崖はコロラド川に向かって真っすぐに落ち込んでいる。この種のトレイルはライダーの肉体を酷使することになるが、バイク本体にも深刻なダメージを与えかねない。このトレイルに本気で挑む時は、スペアギアを携行したい。
5. ラートヴァンデルング
場所:ガミッツェンクラム峡谷/オーストリア
恐怖ファクター:オーストリアのガミッツェンクラム峡谷沿いに走るこのラートヴァンデルングと呼ばれるトレイルは急峻かつ狭隘(きょうあい)で、バイクはおろかただ歩くことさえもためらわれるほど危険な雰囲気を放っている。場所によっては片足の横幅よりほんの少し広いだけのスペースしかなく、このトレイルを走破するには極めて高い集中力が要求される。
6. ザ・ホワイト・ライン
場所:アリゾナ州/米国
恐怖ファクター:プロライダーのミカル・コルベックはこのホワイト・ラインでのライディングを「これまでのバイク経験で一番恐かった」と表現したが、その理由を探るのは難しくない。砂岩に覆われたトラックは、急峻な崖に張り付くように走っており、ちょっとしたためらいも許さないほど無慈悲なものだ。
7. ザ・リッジ
場所:スカイ島/スコットランド
危険ファクター:ダニー・マカスキルのライディングを収めた『The Ridge』(ページ上部参照)が撮影されたことで一躍有名になったクイリン・リッジライン(山稜)はバイクトレイルとしては非常に危険であり、度胸の良さで知られるマカスキルでさえも自分のコンフォートゾーンを飛び出してプッシュする必要に迫られたほどだ。巨大な崖のドロップや無慈悲な路面に覆われたこのトレイルを目の当たりにすれば、これまでこのリッジラインを制したライダーがマカスキルただひとりであるという事実にも納得するはずだ。