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【Arslan Ashとは？】パキスタン出身『鉄拳』トッププレイヤーを知る
世界的知名度を誇るパキスタン出身格ゲープレイヤーはどのようにして今の地位を手にしたのだろうか？ ローカルプレイヤーの育成にも注力する孤高の存在の出自を学ぶ。
Arslan Ashとして広く知られるArslan Siddiqueは、典型的なeスポーツアスリートではない。
現在25歳の彼とビデオゲームの関係は長い。少年時代にアーケードでゲーミングライフをスタートさせた彼はすぐに優秀な格闘ゲームプレイヤーへと成長すると、10代前半で自国パキスタンのトッププレイヤーのひとりとなった。ここまでは他の多くのeスポーツスター – 特に天賦の才を備えているタイプ ｰ と同じストーリーだ。しかし、彼のストーリーはここから異なってくる。
多くのトッププレイヤーたちは、10代後半にインターナショナルシーンで活躍することで名前を知られていく。しかし、Arslan Ashはその頃になってもパキスタンのトーナメントシーンに留まっていた。『鉄拳』シリーズをはじめとする対戦格闘ゲームの才能を世界にアピールするのは簡単ではなく、そもそもその資金繰りもできなかった彼は世界に出られずにいたのだ。
しかし、2018年、彼はようやく渡航に十分な資金を集めることに成功し、オマーンで開催されたKOF GCCへ出場した。当時の彼は、多くのプレイヤーの中で無名の存在だったが、『鉄拳7』で優勝し、『King of Fighters XIV』でもトップ4に残ることでイベントが終わる頃には格闘ゲームシーン全体の話題となっていた。そしてすぐにArslan Ashはワールドクラスプレイヤーの仲間入りを果たすことになったのだ。これが彼のユニークなストーリーだ。
Arslan Ashは『鉄拳』シリーズのトッププレイヤー
© Studio Rokhan/Red Bull Content Pool
01
キャリア初期
Arslan Ashは、ローカルアーケードで自分のスキルを磨き、ここで国内の評価を高めていった。彼にとってローカルアーケードは1日すべてを費やしたい場所だった。彼の身体が勝手にそう仕向けるときさえあったようだ。
「実家の近所にアーケードがあったんです。寝ぼけながらそこへ向かうときもありましたね」と彼は語っている。このゲーミングへの情熱が、彼を成功に満ちた頂点へと誘うことになった。
02
トッププレイヤーの日常
Arslan Ashは世界最強と渡り合える類い稀なスキルを持ち合わせているが、最近は自分の限界をプッシュしてくれるプレイヤーたちと定期的に対戦することを意識している。メンタルや思考力も鍛える必要があると感じているのだ。Arslan Ashは、対戦相手、そしてトーナメント全体の進め方について思考を巡らせながら、プレイスキルを高めようとしている。
「対戦相手へのアプローチについては常にイメージトレーニングをしています。また、何時間、何ヶ月とトレーニングを積んで準備をしてきた対戦やトーナメントで絶対にミスをしないことを強く意識していますね。そのために、プレイ経験が最も多いキャラクターを使うようにしています。できる限り多くのシチュエーションに対応できるからです。このような準備ができていればプレッシャーをはねのけることができます」
『鉄拳7』シーンの頂点でキャリアを築こうとしている彼にとって、このような準備は間違いなく助けになっている。トップレベルに位置し続けるためには、対戦相手を読み切れることとメンタルを整えておくことがスキルを身に付けることと同じくらい重要だ。Arslan Ashは成長を続けている。
Arslan Ashはローカルシーンに力を貸している
© Ahmed Hayan Kazi
03
ローカルのサポート
Arslan Ashは、彼の仲間とeスポーツシーン全体をサポートすることにも注力している。パンデミックが起きたあと、パキスタンの『鉄拳』コミュニティは、国内のインターネット回線が不安定なためにオンライントーナネントでまともに戦うことができなかった。そこで、Arslan Ashはローカルプレイヤーたちのためにロックダウン用ブートキャンプを立ち上げ、ローカルプレイヤー同士が対戦してスキルを維持できるようにした。
「プレイヤーがトレーニングや交流を楽しめる場所を借りるというアイディアは以前から持っていました。トレーニングを積んでスキルを高めることがこのブートキャンプの目的でした」
Arslan Ashのブートキャンプによって、パキスタンのプレイヤーたちはスキルを維持できた。また、時間的余裕が生まれたがゆえに急成長も遂げられた。結果、現在パキスタンにはトップレベルの『鉄拳』プレイヤーが数多く存在している。Arslan Ashとパキスタンの格ゲーシーンの未来は明るい。
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