Athlete skipping in the gym
© Graeme Murray / Red Bull Content Pool
フィットネス
ランチタイムのエクササイズが健康によい理由
昼休みにたった10分のエクササイズをするだけで、健康促進と仕事効率アップが実現できることを知っていただろうか?
Written by Dr Juliet McGrattan
読み終わるまで:5分Published on
自分にとってランチタイム・昼休みはどのような時間なのか考えてみよう。
仕事の遅れを取り戻す時間? ミーティングをするための時間? PCを見ながらサンドウィッチを詰め込む時間?
貴重な時間を仕事のために使ってしまうのは簡単だ。
しかし、ランチタイムに対する考えを改め、自分の時間として活用すれば、フィジカル / メンタル両面がヘルシーになるので、寿命が延び、さらには仕事効率もアップする。
デスクから離れて短時間のエクササイズをこなすことが健康でハッピーな暮らしに繋がる6つの理由を、英国人ヘルスケア専門家のジュリエット・マクグラタン博士に解説してもらおう。

1:生産性の向上

美しい景色が楽しめる場所なら散歩でクリエイティビティを高めよう
美しい景色が楽しめる場所なら散歩でクリエイティビティを高めよう© Yulia Chinato / Unsplash
ランチタイムにワークアウトして身体を活性化させれば、午後の仕事効率低下を防ぐのに役立つ。
エクササイズには集中を高める効果があり、日常的なラン / スイム / ウォーキングには問題解決に役立つ瞑想効果がある。
スタンフォード大学は、歩行中の人間のクリエイティブ能力は停止中よりも60%アップするという研究結果を出している。午前中のタスクで苦労しているなら、ランチタイムのエクササイズが生産的な午後への軌道修正を実現してくれるカギになるかもしれない。
ランチタイムにミーティングの予定が入ったら、“ウォーキング・ミーティング” を試してみるのはどうだろう? Facebookのマーク・ザッカーバーグと故スティーブ・ジョブズは “ウォーキング・ミーティング” のファンとして知られている。

2:気分を高める

同僚と一緒に身体を動かせば気分が向上するだけでなく、社交性も高まる
同僚と一緒に身体を動かせば気分が向上するだけでなく、社交性も高まる© Luis Quintero / Unsplash
充実した食事やセックス、笑いが幸福感をもたらすのは、エンドルフィンと呼ばれる脳内物質が分泌されるからだ。エンドルフィンには、モルヒネなどの鎮痛剤と同様の効果がある。
嬉しいのは、エクササイズにもエンドルフィンの分泌を促し、気分を向上させ、不安ストレスを鎮めてくれる効果があるということだ。日常的なエクササイズはうつ病発症リスクを20〜30%低下させることができる。
また、エクササイズに社交性を取り入れれば、良好なメンタルヘルスに不可欠な人間関係とサポートネットワークの構築に役立つので、同僚を誘ってランチタイムエクササイズに取り組んでみよう。

3:疾患発症リスクの低減

ランチタイムを活用してエクササイズの週間目標を達成しよう
ランチタイムを活用してエクササイズの週間目標を達成しよう© Greg Coleman / Red Bull Content Pool
エクササイズは大きな病気にかかるリスクを減らしてくれる。日常的に身体を動かせば、高血圧循環器疾患・様々ながんの発症リスク30%以上減少させることができる。
この効果を得るためには、少し息が上がる程度のエクササイズを週150分行う必要がある。つまり、ランチタイムエクササイズはこの目標を達成するためのパーフェクトな手段なのだ。
月曜日から金曜日まで、毎日30分エクササイズするだけでこの目標をクリアできる。オフにもエクササイズをこなせば、健康促進効果はさらに高まるだろう。
ランチタイムエクササイズに30分も割くのが難しいという人も心配はいらない。わずか10分のエクササイズでも健康促進効果が見込める。サンドウィッチ屋までの往復を早足にするだけでも目標に近づく助けになる。

4:座りっぱなしを回避できる

モチベーションを高める言葉をスクリーンセーバーに設定するのも効果的
モチベーションを高める言葉をスクリーンセーバーに設定するのも効果的© Carl Heyerdahl / Unsplash
「座りっぱなしは、喫煙と同じくらい身体に悪い」という説を知っているだろうか? 座ったままの状態が健康に及ぼす悪影響は、最近ようやく認識されてきた問題だ。
人間の身体は移動するためにデザインされており、体内ではそのためのエナジーが常時作られている。頻繁に立ち上がらないと体内エナジーがストレス化して細胞の老化促進炎症を引き起こし、2型糖尿病などの発症リスクを高めてしまう。
キーボードにかじりついているよりもさらに有害なのは、デスクに座ったままランチを済ませてしまうことだ。
長時間座りっぱなしだと脂肪を蓄えやすくなってしまうので、体重をコントロールしたいなら、椅子から立ち上がって身体を動かす時間を作るようにしよう。

5:筋肉がつく

デスクワーク中心の人こそ筋肉をつけておきたい
デスクワーク中心の人こそ筋肉をつけておきたい© John Arano / Unsplash
エクササイズをすると、筋肉がマイオカインと呼ばれるホルモンを分泌する。
マイオカインは体内に抗炎症作用をもたらし、様々な疾患発症リスクを減少させる。つまり「筋肉をつける・筋肉を使う」は、健康維持に大きく役立つのだ。
ランチタイムにある程度の負荷がかかるエクササイズをすれば、その後数時間はマイオカインが血流を循環する。
筋肉は病気に強い身体づくりに役立つが、筋肉を使えばより多くの効果が得られる。英国国家統計局は、背中や首の痛みを含む筋骨格系の問題で合計3,000万日以上の労働が失われたという報告を2016年に発表している。
デスクにかじりついている時間が長くなると、大臀筋(尻の筋肉)や腹部の体幹筋の活性が下がる。ピラティスヨガなどのエクササイズをランチタイムに組み込めば、不活性な筋肉群が目を覚まし、姿勢が改善される。

6:少しのエクササイズでもしないよりまし

たった10分のエクササイズでも、何もしないよりまし
たった10分のエクササイズでも、何もしないよりまし© Bruce Mars / Unsplash
ランチタイムエクササイズの効果を得るために1時間全力で取り組む必要はない。
シャワーや着替えの時間も惜しんでエクササイズに励んでいる人をたまに見かけるが、重要なのは「少しのエクササイズでもしないよりまし」という考えだ。10分の早足でも健康面のメリットは得られる。これなら誰でもできるだろう。
1日の仕事を無事に終え、週150分のエクササイズ目標をクリアし、健康になったという充実感と共に帰宅できる日々は、是非とも手に入れたい “ボーナス” だ。
Sorted: The Active Woman's Guide to Health』の著者として知られるヘルスケア専門家ジュリエット・マクグラタン博士のブログはこちら>>
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