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『FINAL FANTASY VII REBIRTH』:開発チームインタビュー
『ファイナルファンタジー』シリーズ最高傑作のフルリメイク第2作のリリースを記念してディレクターの濱口直樹氏に話を聞いた。
さあ、チョコボにまたがろう! クラウド・ストライフ、ティファ・ロックハート、セフィロスが『FINAL FANTASY VII REBIRTH』で戻ってきた!
『FINAL FANTASY VII』のフルリメイク3部作の第2作に相当するこの作品は前作『FINAL FANTASY VII REMAKE』の続編で、ミッドガル脱出以降のさらなるアドベンチャーが描かれている。この非常に野心的な作品は、1997年にリリースされたクラシックをモダンなグラフィックとスケールアップしたストーリーと世界観でアップデートしており、プレイ時間が50〜100時間の大作に仕上がっている。
そこで今回はディレクターの濱口直樹氏をキャッチして、このフルリメイクの新たに追加された部分や開発チームが気に入っている部分などについて語ってもらった。
—『FINAL FANTASY VII REBIRTH』はスタンドアロンタイトルですが、『FF』シリーズ初心者もプレイしやすいようになっているのでしょうか?
濱口直樹氏:『FINAL FANTASY VII REBIRTH』は、オリジナルの『FFVII』をプレイした経験がない方や前作『FINAL FANTASY VII REMAKE』をプレイした経験がない方でも楽しめるようになっています。
タイトルメニューから前作を5分間にまとめたダイジェスト映像が視聴できるようになっていますので、新規プレイヤーの皆さんにはこちらを視聴してからプレイすることをおすすめします。
予習は特に必要ありません。チュートリアルで簡単に慣れることができますし、操作を忘れてしまっても問題ありません。『FINAL FANTASY VII REBIRTH』に興味を持った全員にプレイしていただけることを願っています。
— オリジナルの『FFVII』は多くのプレイヤーから『ファイナルファンタジー』シリーズ最大の人気作と評価されています。世界中の人たちからここまで愛されている理由はどこにあると思いますか?
オリジナルの『FFVII』は “生と死” というテーマを扱っており、当時のビデオゲームとしては非常に珍しい奥深くてディテールの細かい設定が用意されていました。また、エモーショナルなストーリーも多くのファンを喜ばせました。
さらに、ビデオゲームのビジュアルが2Dから3Dへと移行するタイミングでリリースされたことも皆さんの記憶に強く残る理由のひとつになったと思っています。『FFVII』はセンセーショナルだった新しい3Dグラフィックスの旗手となった作品のひとつでした。
また、オリジナルのあとも様々なスピンオフやコンピレーションがリリースされましたし、このような作品群が今でもファンに愛されているブランドとしての『FFVII』を確立させる助けになりました。
— 大きなファンベースは大きな意見を持っています。全員を満足させることは不可能ですので、ファンに愛されてきたストーリーに手を加えることは喜びであると同時に厄災にもなるのではないですか?
長年のファンの皆さんが何を期待しているのかについては理解していますし、今作ではストーリーの “拡張”(ディテールの追加など)と “変更” を明確に分けました。“拡張” は、技術的な制限で当時は描けなかった部分を紹介する機会で、世界観にさらなる深みを加えます。新しいキャラクターやストーリーのフローの微調整に繋がるときもあります。
結局のところ、私たちは元からあるものを完全に変えるのではなく、そこに深みとディテールを加えているというわけです。ですので、ファンの皆さんの多くはオープンに受け容れてくれています。
— 大きな意見について話を続けますが、今作ではプレイヤーが登れる部分に黄色いペイントがされていることについて議論が起きていましたが、このことについてはどうお考えですか?
黄色いペイントがソーシャルメディアの議論のテーマになるとは思っていませんでした。プレイヤーによって好みが異なり、正解が存在しないカメラアングルのような部分は、基本的に複数の選択肢を用意するアプローチを取っています。ですので、今回皆さんからいただいたご意見は今後の作品のための貴重なフィードバックとして受け取りたいと思います。
— 追加されたキャラクターのひとりがザックス・フェアです。彼が選ばれた理由を教えてください。また、可能でしたら、『FINAL FANTASY VII REBIRTH』において彼がどれだけ重要なのかについても教えてください。
『FINAL FANTASY VII REBIRTH』はフルリメイクですが、満足度の高いエンターテインメント作品として捉えようとすると、オリジナルと同じストーリーをなぞっているだけのように感じてしまい、これではプレイヤーの皆さんに興味を持ってもらうことは難しいだろうと思いました。
そこで、プレイヤーの皆さんにゲームがどのように進んでいくのかについてあれこれ考えるのを楽しんでもらえるように、いくつかの変更を加えることにしました。
ザックの存在は非常に重要で、『FINAL FANTASY VII REMAKE』と『FINAL FANTASY VII REBIRTH』における『FFVII』の世界で起きていることをプレイヤーの皆さんに説明する役目を担っています。これ以上はネタバレになってしまいますので、実際にプレイしてご理解していただければと思います。
— 今作ではレッドXIIIがチョコボに乗れますが、人間のような跨がり方にした理由を教えてください。笑える要素やふざけたイースターエッグはこの他にもあるのでしょうか?
モーションデザイナーのひとりが、レッドXIIIを人間のように跨がらせたらかわいいというアイディアを出したときに、クリエイティブディレクターの野村(哲也氏)がそれを気に入ったので、実現されました。レッドXIIIはチョコボに跨がる姿だけではなく壁を登る姿も素早くて可愛いので、プレイヤーの皆さんにも気付いてもらいたいですね。
—『FINAL FANTASY VII REBIRTH』の進化したバトルシステムについて解説していただけますか?
今作では『FINAL FANTASY VII REBIRTH』のために開発した新しいシステムが採用されています。アクションとストラテジーを組み合わせており、さらには複数のキャラクターのスキルを組み合わせられる連携要素も加えてあります。
この “連携” がバトルに奥深さを加えます。また、バトルとストーリーの両方におけるキャラクター同士の繋がりというテーマを表現する重要な要素にもなっています。
個人的に好きな連携アビリティはクラウドとティファの《ユニゾンスピン》ですね。ヒット効果が一定時間MP消費なしなので非常に便利です。また、レッドXIIIとケット・シーの《もぐもぐバウンド》も好きですね。ビジュアルがかわいくて笑えます。
— 新しいエリアについて解説してもらえますか? そのエリアを取り上げたかった理由についても教えてください。
オリジナルの『FFVII』に収録されていなかったエリアを新たに用意したわけではありませんが、オリジナルでは通過しただけだったゴンガガを新たに追加しました。今作ではメインストーリーの一部となっています。
このエリアは今作では重要な役を担っているザックス・フェアの出身地ですので、ゴンガガにフォーカスしたストーリーを通じてプレイヤーの皆さんに『FFVII』の世界観をより深く理解してもらいたいと考えました。
— 今作には、《ゴールドソーサー》などメインストーリーの他にも様々なコンテンツが用意されています。プレイヤーに是非ともプレイしてもらいたいものはありますか?
プレイヤーの皆さんにはカードゲームの《クイーンズブラッド》を是非ともプレイしていただきたいですが、今回は他のミニゲームを紹介したいと思います。ジュノンへ向かってチャドリーを手伝っている間に《コンドルフォート》をプレイできます。
『FF7R EPISODE INTERmission』でプレイできていたバージョンからルールを調整してあり、クラウドたちが操作可能なユニットとして登場します。こちらも是非ともプレイヤーの皆さんにプレイしてもらいたいですね。
—《クイーンズブラッド》について詳しく教えてもらえますか? カードは全部で何枚あるのでしょう? カードが追加される予定はありますか?
カードは全部で145枚です。《クイーンズブラッド》の今後については何も決めていませんが、プレイしていただいたメディアの皆さんからはポジティブなフィードバックをいただいているので、エキスパンションの可能性を考えていきたいです。
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