G2 line up ahead of the Worlds final
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【LoL Worlds 2019】G2 Perkzの活躍を振り返る
G2 Esportsに所属するLuka ‘Perkz’ PerkovicはWorlds 2019を準優勝で終えたがその活躍はMVPに相応しかった。クロアチア人ADキャリーの強さを解説する。
Written by Matt Porter
読み終わるまで:6分Published on
Worlds 2019は近年希に見る「実力伯仲」のトーナメントだった。世界各地から集まった複数のチームに優勝のチャンスがあった。
『リーグ・オブ・レジェンド』がリリースされてから10年が経ち、世界最高のプレイヤーを決めるのが日に日に難しくなってきている — 新しい才能が常に現れてはベテランたちに挑戦状を叩きつけている。
その “最強” の判断基準のひとつに数えられるのがWorlds 2019のスタッツだが、このスタッツをチェックする時は『リーグ・オブ・レジェンド』のコンテクストを同時に読み解く必要がある。たとえば、現行メタではカイ=サザヤADキャリーの鉄板ピックだ。
そして現在、この2チャンピオンを完全にマスターしているプレイヤーは世界にひとりしかいない。しかも、彼はこのポジションのプレイ歴はたった1年だ…。
G2 EsportsのADキャリー、Luka “Perkz” Perkovicはほんの1年前はミッドレーナーを担当していたが、ほんの短期間でADキャリーのトッププレイヤーに成長した。
そして今年のG2 EsportsはLEC Spring Splitを制したあと、Mid-Season Invitationalも優勝し、さらにはLEC Summer Splitも制した。
Worlds 2019のG2 Esportsは惜しくも2位で終わり、史上初のグランドスラム達成は逃してしまったが、シーズンを通じてリーグとビッグトーナメントの両方で活躍を続けたPerkzの素晴らしさは非の打ち所がない。
Perkzはかつて「どのチャンピオンでもプレイできる」と発言していたが、2019年はこの発言が真実であることを証明する1年になった。
G2 Esportsが2019シーズンを通じて使い続けた “時間場所チャンピオンを問わない" 戦術は『リーグ・オブ・レジェンド』シーン全体に革命を起こした。
今年はローミングと裏をかくドラフトピックがトレンドになったが、このトレンドを促したのがミッドレーンのチャンピオンをボットレーンで起用していたPerkzだった。Perkzのプレイに刺激され、メイジなどを含む意外なチャンピオンをプレイするADキャリーが普通になった。
しかし、Worlds 2019のPerkzは伝統的なADキャリーチャンピオンもプレイできることも証明した。
Worlds 2019で大活躍したPerkz
Worlds 2019で大活躍したPerkz© Riot Games
Worlds 2019のPerkzは、FunPlus Phoenixとのグランドファイナルまでにカイ=サを3回ザヤを6回ピックしており、このチャンピオン2体での勝率は100%を誇っていた。
特にチームファイトでのPerkzのザヤは圧倒的なクオリティで、混戦状態でもまったく不安を感じさせなかった。
ザヤのようなチャンピオンはポジショニングが重要になるが、優秀なチームメイトたちのアシストもあり、Perkzは常に “いるべきポジション” にいるように思えた。
スタッツを見ていこう。
Worlds 2019のPerkzが最も輝いていたのはSK Telecom T1とのセミファイナルだった。
『リーグ・オブ・レジェンド』史上最も大きな成功を収めているチームに勝てばファイナル進出という大一番を迎えていたG2 EsportsのADキャリーはゲーム3でザヤをピックし9/0/4を記録した。
ちなみに、Perkzがマッチアップしていたのは同じく『リーグ・オブ・レジェンド』のトッププレイヤーとして知られるPark “Teddy” Jin-Seongのカイ=サだった。
また、このセミファイナルのPekrzは3ゲームで巨大なCS差を築き上げていた。G2が落としたゲーム2では60だったが、ゲーム4では実に93をマークしていた。
Worlds 2019のPerkzはトーナメント序盤からこのような素晴らしい活躍を見せていた。
PerkzとサポートのMihael “Mikyx” Mehleはほぼすべてのマッチでボットレーンを圧倒し、自在にローミングしながらチームを勝利に導いていた。
迎えたグランドファイナルでは、同じようにボットレーンで絶対的な強さを発揮してチームを決勝に導いていたLin “Lwx” Wei-XiangLiu “Crisp” Qing-Songとのマッチアップとなった。
しかし、G2 Esportsにとっては残念なことに、FPXコンビの強さはパリの大舞台でも同じだった。
2019年からADキャリーにコンバートしたPerkz
2019年からADキャリーにコンバートしたPerkz© Riot Games
ゲーム1はカイ=サとザヤがBANされたため、G2 Esportsのボットレーンコンビはヴァルスタム・ケンチをピック。ゲーム2ではWorlds 2019ですでに数回起用していたヤスオグラガスを選択した。
しかし、ヤスオ&グラガスはLwzの前に屈し、G2 Esportsはこのゲームも落としてしまった。ゲーム2のLwzはファイナルMVPに相応しい素晴らしいプレイを連発していた。
あとがなくなったPerkzはゲーム3でエズリアルをピックしたが、残念ながらこのピックも通用せず、3-0で優勝を逃した。
しかし、このグランドファイナルを除けば、Perkzは常にG2 Esportsを助けながら大量のゴールドを獲得しており、平均465ゴールド/分というチームメイトを大幅に上回るスタッツを残した。
18ゲーム以上プレイしたプレイヤーの中でこのスタッツを上回っているのはKasper “Kobbe” KobberupとLwxだけだ。また、この素晴らしいスタッツは平均10.04CS/分キル貢献61.2%という圧倒的なパフォーマンスが呼び込んだものだ。
Worlds 2019グランドファイナル敗戦はG2 Esportsを数日苦しめるかもしれないが、あとでシーズン全体を振り返れば素晴らしい結果を残したことを理解するだろう。
Worlds 2019のG2 Esportsをファイナルまで連れて行ったのはPerkzとRasmus “Caps” Wintherだった。ファイナリストとしてシーズンを終えたG2 Esportsは、2020シーズンを前向きな気持ちで迎えるはずだ。
G2 EsportsはWorlds 2019最強のヨーロッパチームで、PerkzはWorlds 2019最強のヨーロッパ出身プレイヤーだった。
世界はリベンジを狙うG2 Esportsに注意する必要があるだろう。何しろPerkzはADキャリーとしてのキャリアをスタートさせたばかりなのだ。
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