Formula Racing
オラクル・レッドブル・レーシングのリザーブドライバーを務めるニュージーランドの若手注目株が、F1で要求される “コンマ数秒の判断力” について語ってくれた。
ポッドキャスト【Mind Set Win】の最新エピソードでは、ホストを務めるリサ・ラムシュカットがオラクル・レッドブル・レーシングのリザーブドライバーを務めるリアム・ローソンを迎え、プロフェッショナルなモータースポーツのランクを駆け上がるときのプレッシャー対処法やリザーブドライバーとして待機を強いられる状況、自分がコントロールできる / できないことの判別方法などについて話を聞いた。
「超高速走行中の判断はほんの一瞬ですし、マインドに圧がかかります。考え過ぎてしまえば、ミスを犯してしまいます」とローソンは切り出す。
「ですが、ほとんどの場合、ミスは自分たちやドライビングだけに起因するものではありません」
F1ドライバーにはどのような資質が求められるのだろう? ローソンによれば、F1ドライバーには揺るぎない自信が必要で、彼はこれを生まれながら持ち合わせているとしている。
「すべてのドライバーは “自分にはできる” と言い聞かせられる自信を持ち合わせていなければなりません」とローソンは説明し、さらに続ける。
「このような自信は時間をかけて身に付けるものではなく、私は生まれながらにして備えています」
将来F1ドライバーになるという目標を心に決めた7歳の頃、周囲から「ほとんど無理だ」と言われていたにもかかわらず、ローソンは自信を失うことなくゴーカートに足を踏み入れてF1への道を歩み始めた。
ニュージーランドに生まれ育ったローソンは、モータースポーツの中心地であるヨーロッパとの地理的距離の問題から、プロキャリアの構築が難しくなることを覚悟していた。しかし、ローソンは家族の援助を得て2017年にオランダのファン・アメルスフォールト・レーシングからヨーロッパF4に参戦。その翌シーズンにはレッドブルからジュニアプログラムに抜擢されると、すべての状況が一変した。
しかし、ローソンへのプレッシャーは増大し、彼のドライビングコーチを務めるエンツォ・ムッチはモータースポーツの頂点を目指してキャリアを歩むローソンをサポートするメンタルコーチの立場に転じることとなった。
のしかかるプレッシャーと、そのプレッシャーの影響に対処するローソンを支えるにあたり、ムッチは極めて重要な役割を果たした。
「フェアではないと感じたり、自分ではコントロールできないようなレース結果を得たりすると、私はとても感情的になっていました。特に、エンツォに感情をぶつけていました」とローソンは当時を振り返る。
「幸運なことに、エンツォはこのような状況への対応に長けていたのです」
ローソンとのインタビューで振り返られたメンタル戦術を巡る議論の中で、【Mind Set Win】のホストを務めるラムシュカットとヨーク=ピーター・クロッペルは、コントロールできること / できないことのコントロールと忍耐力の重要性をさらに深く掘り下げていった。
まず、自分ではコントロールできないと思える変動要素について、クロッペルは次のように説明する。
「自分で完全にコントロールできることと、まったくコントロールできないことがありますが、たくさんの “中間” もあります。自分が大きく影響を及ぼせることとほとんど影響を及ぼせないことがあるのです」
クロッペルは「コントロールできる状況」「影響を及ぼせる状況」「コントロールできない状況」の3種類に分類しており、物事をこれら3種類に分類したリストを用意して、それぞれに応じたプランを構築することを勧めている。
クロッペルは物事を上記3種類に分類したリストを用意し、この3種類のに合わせたプランを構築することを勧めている。
しかし、自分が求めているものがコントロール外なときは、忍耐が重要な役割を担うことになる。クロッペルは、結果を待つ時間を他のタスクを完了する時間に充てることを提案している。結果を待つ時間はどのように活用するのがベストなのだろうか? 待つ間にフラストレーションが溜まるのを回避するにはどうすればいいのだろう?
「フラストレーションは、必ずしも自分が間違った道に進んでいることを意味しません。自分がその結果をどれだけ欲しているのかを示すリマインダーなのです」と、スポーツ心理学者であるクロッペルは説明している。
ローソンとラムシュカットの対談(英語音声)をページ前半のプレーヤーでチェックしたあとは、ページ後半のプレーヤーでラムシュカットとクロッペルがローソンのメンタル戦術を掘り下げ、運が果たす役割について語り合う様子をチェックしよう。
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