ヤバTのテンションを止めることってできます?
前代未聞の音楽対決「Red Bull SoundClash」がついに日本上陸。激突するのは、ヤバイTシャツ屋さんと岡崎体育だ。
この2組は、ほぼ同時にメジャーデビューして以来、その独特な個性が音楽以外の領域でも如何なく発揮され、互いに音楽を超えて、表現者として共鳴し合う存在となった。
ここではヤバイTシャツ屋さんと岡崎体育がライバルの心の中をより深く知るためのインタビューを敢行。
前編では岡崎体育が、ヤバイTシャツ屋さんに質問をぶつけたが、後編ではヤバイTシャツ屋さんが岡崎体育にインタビュー。メンバーそれぞれのファーストインプレッション、今回の企画で生まれたコラボ曲、そして、2022年4月に控えるツーマンライブへの意気込みまでを訊いた。
01
ヤバT→岡崎体育にインタビュー ——ヤバTの中で一番ヤバイのはもりもと!
もりもりもと:ヤバTメンバーに初めて会ったときの印象はどんな感じでした?
岡崎体育:こやまに関しては、元々「寿司くん」として、俺の曲のMVを撮ってもらおうと思ったことがきっかけで知り合ったけど、そこからいろいろ話をしているうちに同じ中学出身で同じ部活だったこともわかったりして、運命的なものを感じたね。でも、てっきりずっと映像監督でやっていくもんやと思ってたわ。
ただ、そこから賞レースで優勝したり、サマソニに出たりうなぎのぼりに人気が出ていってすごいなとも思ったよ。最初は、っていうか今もだけど、何考えているかよくわからんというか、掴みどころがない印象かな。
こやまたくや:まさにうなぎみたいな印象があるってことですよね?
岡崎:まさしく。うなぎなのかなと思ってます。
ありぼぼに関しては、こやまの後輩でその当時は「ネコバス」って言われてたから最初はネコバスという印象が強かった。だから、ヤバTに入って名前がありぼぼに変わった時、俺の中では全然ピンとこなかった。それと典型的な芸大女子みたいなサブカルの印象があったかな。
その時と比べると今は垢抜けたし、YouTubeに「ヤバT・ありぼぼのかわいいまとめ」みたいな動画がアップされていることを知った時はびっくりしたよ。しかも動画は「その5」くらいまであるし。
しばたありぼぼ:そんなのがあるんですか? しかも体育さん、その動画を追ってるんですか?
岡崎体育:追ってるよ。ありぼぼがかわいい瞬間を見ようと思って、「その5」まで見たもん。
もりもとに関しては、昔、俺が大阪芸大の学園祭に出演した時に、喜志駅から大阪芸大まで車で送迎をしてもらったのが最初の出会い。ただ、優しい学生たちのうちの1人で車の運転が上手いという印象で、今もそれほど何かが印象深いってことはないかな。でも、そういう感じだからこそヤバTがバランスよくあるというか、もりもとが抜けたらヤバTがヤバTじゃなくなる気がする。
こやま&ありぼぼ:うん、絶対に大変なことになる。
岡崎:これは近い距離で見ている俺だからこそわかることやけど、こやまとありぼぼが抜けたとしてもヤバTは続くと思う。でも、もりもとが抜けたらヤバTは根元から崩れると思うよ。
ありぼぼ:3人の中で一番ヤバイのはもりもとですからね。外から見たらわからんと思うけど、もりもとが全てを握ってますから。
こやま:一番悪いのはもりもとですから。
岡崎:俺もヤバTのヤバイ部分はもりもとが担っていると思うなぁ。ただ、だからこそ、もりもとにはプライベートでは不祥事がないように気をつけてほしいよね。
もりもと:そっか。先輩からのありがたいアドバイスとして受け止めます。
02
もりもと、岡崎にプチ説教される!
こやま:ところで体育くんの今の年収は?
岡崎:2年前は2700万円で、去年は1900万円。で、今年は860万円と、年を追うごとに落ちていってる。
ヤバT一同:それは絶対ウソ!
岡崎:これがね、ホントなんですよ。
こやま:そんなことない! しかももしホントなら言わんやろ普通! めちゃくちゃしゃべるやん、この人!
ありぼぼ:はい、じゃあ次は私からの質問。さっき体育さんがヤバTにインタビューした時に「岡崎体育のどこを直してほしい?」みたいな質問がありましたが、今度は逆にヤバTにどこを直してほしいか教えてほしいんですけど。
岡崎:ヤバTって、ものすごく盛り上がったと思ったら次は物凄い勢いで萎んでいくみたいなことあるやん? あれね、俺は端から見ている分には好きやけど、スタッフさんとか周りはどう思ってんねんやろ? って思うことがある。
こやま:そうですね。普段から結構そういう部分がある。。
岡崎:だからこそ、俺はもりもとがそこはもっとがんばらなあかんと思うんよ。
もりもと:そういうガーっとテンションが上がる感じにそもそも僕、ついていけてないんですよね。
岡崎:それやったら、ついていくか止めるかのどっちかにしなさい!
もりもと:でも、この2人を止めることってできます?
岡崎:いや、それはもりもとがこれから培っていかなあかんことやろ。今、もりもとはバンドの境遇において何もしてない状態やし。
もりもと:2人に対しては「勝手に行っておいで」ってなるんですよね。それで最後に困った時にいつも「なあ、もりもと?」って感じで同意を求められるという...。
ありぼぼ:でも、もりもともがっつりそのノリに乗ってみたら「なあ、もりもと?」とはならんやろな。
岡崎:今はまだ20代やからなんとかなるかもしれんけど、30過ぎてそのテンションはしんどくなる可能性がある。
こやま:そっか、俺らももうすぐ30代になってしまうもんな。
岡崎:だから、おまえらが30代になった時のヤバTのスタンスをどんな風に描いてるのかについては、不安というか心配事ではある。
こやま:歳を重ねるごとに僕らもちょっとずつ変わってきているとは思うんですけどね...。
ありぼぼ:でも、40代になってもこのテンションのままかと思うと心配になることはある...。
03
ヤバTのよくないのは、こういうところ!
こやま:ここで質問を変えて。体育くんはヤバTの曲をいっぱいリミックスしているけど、ヤバTの曲ではどの曲が好きですか?
岡崎:自分でも世間の人に認知されようと思って、いろんな角度から攻めたりしてたつもりやったけど、自分が見てた角度よりもさらに違う角度からヤバTは攻めてくる印象がある。例えば、ハウ前ソ(ハッピーウェディング前ソング)みたいなウエディングソングがあるけど、普通、ウエディングソング自体を茶化すみたいなことはあっても、この曲って結婚する前のことをネタにしてるやん? そういう発想は俺にはなかった。
あと「肩 have a good day」で、肩幅のことについて1曲まるごと歌うしつこさは、"音楽界のジャルジャル"って感じがするし、そういうしつこさに鬱陶しさがないところは、ヤバTの強みやと思う。
こやま:それは「うれしはずかし朝帰り」ですね。
ありぼぼ:by DREAMS COME TRUEですね。
岡崎:そういうとこやぞ。
もりもと:たしかに僕、今「う〜ん」しか言ってない…。
ありぼぼ:あっ、今、ヤバT全員の悪いところがでましたね。
04
Red Bull SoundClashは壮大なドッキリなのか!?
こやま:今回はヤバTと岡崎体育のサウンドクラッシュということですが、実際にここまで序章コンテンツを両者で一緒につくってきてみてどういう気持ちですか?
岡崎:今回は序章コンテンツとして対決してきたけど、それが来年4月のツーマンライブでどう着地すんのかな? と思ってるよ。
この企画のスタッフさんも一緒にいて楽しい人ばっかりですごく居心地よくさせてもらってるし、何よりやっぱレッドブルってすごくかっこいいやんか? そのレッドブルとタイアップさせてもらえることにまずびっくりした。レッドブルってKing Gnuとタイアップしてるし、俺らのこの企画ってほんとはドッキリなんじゃないかって今でもちょっと疑ってる。
こやま:そういう意味では今回の企画は攻めてますよね。
岡崎:だから、逆に考えさせられるというか...。たぶんレッドブル社内でも偉い人にはこの話は伝わってないんじゃないか?
ありぼぼ:ほんとは担当者が上司に黙ってやってる企画かも。
岡崎:ここまでやってきて、4月のライブは「実はKing Gnuがやります」みたいな。
もりもと:それ、ちょっとある意味おもしろいな。
岡崎:まあ、これは冗談やねんけどね。でもとにかく今回はレッドブルとヤバT、岡崎体育でどんな化学反応が起こるのか——それをやってみるチャンスを頂いたわけや。だからこそ、ライブをやる最終日にこれまでやってきたことの全てを集約させたいね。
こやま:確かにこの2組のサウンドクラッシュって他のアーティストの絵が浮かばない。別のアーティストとの組み合わせだときっと体育くんと同じくらい上手くできひんと思うんですよね。
岡崎:そうやな。でも俺は斎藤工さんとでもやれるけどな。(※前編:岡崎→ヤバTへのインタビュー参照)
こやま:それは知らんけど。ただ、体育くんだとやっぱりやりやすいし、楽しい。
ありぼぼ:一番戦いたい人かな。
もりもと:戦いがあっても自然というか、そういうことになってもやらされてない感じがある。
こやま:今回の企画では岡崎体育ファンにどんな一面を見てほしいですか?
岡崎:一番はやっぱり楽曲を作ったことなんで、そこを見てほしいかな。岡崎体育とヤバTの2つの冠でやっているわけやから、恥ずかしいことはしたくなかった。今までの関係性もあってお互いの良さを引き出せたと思うし、それをまず聴いてほしい。
こやま:曲に関する自信はどれくらいありますか?
岡崎:それに関しては冷蔵庫の余り物で美味しいパスタ作った時の料理研究家くらいあるね。
こやま:ちょっとわかりづらいけど、つまり、すごい良い曲ができた自信があると?
岡崎:その自信はある。めちゃくちゃかっこいい印象ではないけど、自分という名の冷蔵庫の残り物の中からちょっとでもかっこいい部分、使えそうな部分を引っ張り出してきて、料理したらめちゃくちゃ美味しかった。そんな感じ。
もりもと:なんでそんな冷蔵庫にこだわるんですか。なんか"残り物"って言い方が引っかかるな...。
岡崎:えっ、不満? じゃあ、俺もう帰ろうか?
ありぼぼ:またふてくされてる。
05
岡崎、オチを探して道に迷う!
こやま:でも、良いコラボだったし、ライブも楽しみ。ということで、最後に4月のライブへの意気込みを聞かせてもらえますか?
ありぼぼ:これでインタビューを締めるんだから重要ですよ、ここ。
岡崎:いや、そもそもお前らこそ、ライブに対して意気込んでのか?
ヤバT一同:もちろん、意気込んでますよ!
岡崎:でも、もはや意気込む必要なんかない時代に差し掛かってんのよ。
こやま&ありぼぼ:と、言いますと?
岡崎:意気込んでいることなんか大前提やから。
こやま&ありぼぼ:つまり?
岡崎:おまえら、そういうとこやぞ! あっ、でもヤバい。これやったら話にオチがないわ。やり直しさせて!
こやま:じゃあ、改めてライブへの意気込みを聞かせてもらえますか?
岡崎:やっぱりライブしてあげる側もライブしてもらう側も意気込みが必要やと思う。ライブしてあげる側の立場としてはもちろん意気込んでるし、ライブしてもらう側もそれなりの意気込みがないとライブの空気感って作れへんと思うねん。
ありぼぼ:なんか傲慢な表現やな。全員に嫌われるやつ。
もりもと:素直じゃない子みたい。
岡崎:だから、このインタビューを読んでいるライブしてもらう側の奴ら、それに甘んじている側の奴らがちゃんとした気持ちを持って会場に来ないと良いライブはできひんから。
ありぼぼ:わ、ヤバいこと言ってる。記事ではちゃんと、岡崎体育個人の発言ということをハッキリ書いておいてほしい。
こやま:僕らはしてあげる側とかしてもらう側とかそういう考え方はしないし、みんなで一緒にひとつのライブをつくるタイプのアーティストなんで。
岡崎:あれ、おかしいな...。
こやま&ありぼぼ:こちらからの質問は以上です〜。
岡崎:じゃ、終わりますか...。
岡崎体育マネージャー:あのぅ...、このインタビュー記事って事前に内容確認できますよね?
一同:(爆笑)
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