今回のサイファーを振り返っていかがでしたか?
オファーが来たときは“自分がYouTubeで観てた企画だ”って驚いて。なので、かなりイメージトレーニングしてきましたね。緊張もしたけど、みんなでマイクリレーって形式でできるのも楽しかったですね。全員ノリもよかったし。
ラップをはじめたきっかけを教えてください。
もともと自分はニューヨークで生まれて、小学校6年生で日本に引っ越してきたんですけど、ずっとヒップホップは好きじゃなかったんです。どちらかというとポップスを聴いていたんですよね。
でも、1年前にYouTubeを見てたらMIYACHIさんの"Bad & Boujee"のリミックスが流れてきて。自分の地元でMV撮ってたし、めちゃカッコいいって思ったんですよ。自分も詩を書くのが好きだったので、それがきっかけになってやってみようかなと思って。小学校のときに詩を書く授業があったんですけど、その授業が好きでノートによく書いてましたね。
当時から韻を踏んだり比喩を使うのが好きだったので、それがいまにも活きてるのかもしれない。あと、小学校に入る前から教会にはよく行っていて、クワイアで賛美歌を歌ってたってことも活きてるかも。
これまで発表した楽曲で、自身の代表曲を挙げるなら?
そもそもそんなに曲を出していないんですけど、現時点ではいちばん聴かれている"Anymore"ですかね。タイプビートを使ってるんですけど、自分の世界観を描けてるんじゃないかな。
ただ単にカッコつけるだけじゃなくて、かわいい要素だったり遊びの要素もあるし、いろんなひとに聴いてもらえるものになっているかなと思います。
制作もこれまでは自分が思うように作ってたんですけど、最近はすごく考えるようになりましたね。“もうすこし日本語を使ったほうがいいんじゃないか”とか“メロディーも変えたら”ってアドバイスも、以前は“うるせぇよ!”って感じだったんですけど、いまではそれを自分なりに受け止めて、自分のスタイルにあってるならやったほうがいいなって思えるようになって。
自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
自分は夜が好きで。夜、だれもいないところにひとりでポツンといるとすごく世界が広く見えたりするじゃないですか。そういうのが好きで、自分の作品でも夜に遊んでるときのことや、星空のことを歌った曲が多いんです。スキルに関してはラップと歌の両方できて、英語と日本語も使い分けられるところ、トラックに合わせてそのときに思っていることをしっかり歌えるってところが特徴だと思ってます。
影響を受けた人物は?
MIYACHIさんですね。MIYACHIさんがいなければラップをしようとは思わなかったので。あと、ONE OK ROCKがいなかったら歌っていなかっただろうし、美術家だとKieth HaringやJackson Pollockもすごく好きなんです。
彼らってすごく有名だけど独特じゃないですか。広範囲のひとに認められることがダサいと思わないし、自分も独自の世界観でいろんなひとから認められたいですね。
父と母がアーティストであることやニューヨークに住んでいたこともあって、いろんな人種や多様な価値観と接してきたので、それに無意識で影響を受けた部分はあるかもしれません。
今後の予定と将来の展望について教えてください。
作品はもう完成していて、いつでもリリースはできるんですけど、まだ時期は決めていないんです。急ぐ必要もないと思っているし、タイミングが合うときに出したいですね。
自分名義の作品とは別で、Jポップの業界でも作曲の仕事をしていたりもするし、いまは大学生なので音楽活動よりも学生生活のほうにフォーカスしている感じです。とりあえずEPを出して聴いてくれるひとをもっと増やすのが近い目標ですかね。
自分が先端と思うようなことをやれば、それについてきてくれるひともいるかなって思うので、そうなるためにまずはもっといろんなひとに知ってほしいなと。
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