Competitors perform at Red Bull Feel the Wheel in Prague, Czech Republic on August 11, 2019
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スケートボード

【レギュラー or グーフィー】ボードスタンスの決め方

右足が前? 左足が前? スケートボードやスノーボードなどのボードスポーツには2種類の乗り方が存在するが、どちらが自分に向いているのだろうか?
Written by Red Bull Editorial Team
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スケートボード、スノーボード、ウェイクボード、サーフィンなどのボードスポーツを始めたばかりなら生傷が絶えないはず。天才に生まれない限りボードスポーツに怪我は付きものだ。しかし、怪我を最小限に抑える方法がひとつ存在する。
それは「自分に最適なスタンスを知っておく」だ。自分のスタンスがどちらなのかが分かっていれば、トリックをマスターするスピードを高めたり、アザの数を減らしたりすることができる。
“スタンス” は “ボードの乗り方” を意味する。通常、ボードスポーツのボードは 縦に使うため、片足を前、逆足を後ろに置いてボードを安定させる。この時に自然に感じられるスタンスを取れていれば、素早く上達して自信を深めていくことができる。
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《レギュラーとグーフィーの違い》

最も初歩的な話から進めていこう。
ボードにはノーズ(前)とテール(後)があり、ボードに乗る時はノーズ側に片足、テール側に逆足を置くことになる。この時に右足と左足のどちらがノーズ側に置かれているかが、《レギュラー》《グーフィー》の違いになる。通常は利き足がボディバランスをコントロールする役目を担うので、ボードスポーツで秀でたいなら、利き足をボードのテール側に置くのがベストだ。
世の中には右足が利き足の人が多いことから、右足をテール側、左足をノーズ側に置くスタンスが《レギュラー》と呼ばれており、実際、《レギュラー》スタンスのライダーは多い。しかし、野球で右投げ・左打ちがいるのと同じように、右手が利き手だからといって、《レギュラー》スタンスが自分のスタンスになるとは限らない。ボードに乗った時にしっくりくる方が自分のスタンスだ。
そして、《レギュラー》の逆、左足をテール側、右足をノーズ側に置くスタンスが《グーフィー》だ。《グーフィー》スタンスのライダーは《レギュラー》スタンスのライダーより数が少ないが、多くのトッププロライダーがこのスタンスを採用している。
プロスケーターならクリス・ラッセルフェリペ・グスタヴォなどが挙げられる。ラッセルは若くして才能を開花させて数々のイベントを制してきたライダーで、グスタボは無名時代にいきなり国内選手権を制して話題となったライダーだ。
《レギュラー》と《グーフィー》に差はなく、どちらかがライディングの能力やスタイル、スピードに有利に働くことはない。しかし、自分の通常のスタンスとは逆のスタンス、《スイッチ》では、通常のスタンスほど上手くライディングできないことに気付くだろう。
たとえば、《レギュラー》スタンスのライダーが《グーフィー》スタンスを取れば、自分にとって自然ではないのでバランスやトリックメイクに苦しむはずだ。
しかし、世の中には《レギュラー》と《グーフィー》の両方で同じ能力を発揮できる希少なライダーがいることを知っておくのは非常に重要だ。両方のスタンスを試してみて、どちらも問題なくライディングできるのなら、自分を褒めて良いだろう。誰もが羨むレアなライダーのひとりなのかもしれない。
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《スタンス - ボードスポーツ別の違い》

誰もが知っていることだが、ボードスポーツごとに使うボードは異なる。どのボードスポーツも同じスタンスで楽しむのが一般的だがボードスポーツごとにいくつかの特徴があるので、それらを理解しておくべきだろう。

スケートボード

ルエル・デスタ

ルエル・デスタ

© Gaston Francisco / Red Bull Content Pool

スケートボードはバランスを取るのが難しく、慣れるまでに何回か痛い思いをすることになるはずだが、気落ちしないで続けよう。どちらのスタンスの方がボードの上でバランスを取りやすいのか、そしてどちらのスタンスの方が道路でプッシュしやすいのかを感じ取りながら、自分のスタンスを確認しよう。

スノーボード

ゼブ・パウエル

ゼブ・パウエル

© Brian Nevins/Red Bull Content Pool

スノーボードはストラップで自分を固定するので、自分のスタンスを事前に決めることになる。自分のスタンスが分からない人は、怪我をする危険が少ない小さなスロープでひとつずつ試そう。
《レギュラー》スタンスのインスピレーションを探しているなら、プロライダーのブロック・クラウチが良いだろう。6歳で全米レベルでライディングを始めたクラウチは、2016年に17歳でFISスノーボード・ワールドカップ優勝を記録している。

ウェイクボード

ウェイクボードのベストスタンスを知るためには足の位置だけではなく、両足の間隔など他にも様々な部分を考慮しなければならない。しかし、他のボードスポーツと同じで、《レギュラー》と《グーフィー》の選択は「身体にとって自然かどうか」が基準になる。

サーフィン

パイプラインのサーファー

パイプラインのサーファー

© Zak Noyle/Red Bull Content Pool

サーフィンのスタンスを知るためには現地で色々試してみるのがベストだ。他のボードスポーツと同じスタンスになるかもしれないし、逆になるかもしれないが、サーフィンでは重心を下げやすいスタンスの方がベターだということを覚えておこう。
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《自分のスタンスの決め方》

自分のスタンスを知るのに役立つ方法をいくつか紹介しておこう。

1:ボールを蹴る

ボードスポーツの話をしているのは百も承知だが、あえてサッカーボールを蹴ってみよう。利き足を見つける助けになる。公園や広場でどちらの足がボールを蹴りやすいか確かめてみよう。蹴りやすい足が「利き足」の可能性が高い。その足をボードのテール側に置いてみよう。

2:床を滑る

これは楽しい方法だ。靴下を履いてフローリングの床を滑ってみよう。少し助走をつけてから滑れば身体が勝手にスタンスの姿勢を取る。この時のスタンスが自分のスタンスだ。

3:背中を押してもらう

この方法は友人と一緒に進める必要がある。目を閉じた状態で友人に背中を向けて立とう。次に、友人に “一歩前に出るくらいの強さ” で背中を押してもらう。その “一歩” がスタンスの判断材料になる。前に出た足が利き足なので、ボードのテール側に置こう。

4:練習する

自分のスタンスを見つけるためのベストな方法は、《レギュラー》と《グーフィー》の両方を実際に試すことだ。ボードの上に立っている時とボードを動かしている時に身体がそれぞれどう感じるかを確認していこう。両方のスタンスで1時間ずつ通常のライディングやトリックメイクなどにチャレンジしてみよう。自然に感じられる方が自分のスタンスだ。
ボードのスタンスの面白いところは、自分のスタンスを決めたあとも自由に変えられるところにある。両方のスタンスに慣れていけば、希少なライダーになれるかもしれない。
いずれにせよ、自分のスタンスが分かれば、バランスが取れるようになり、ライディングが簡単になる。また、快適にライディングできるようになれば、それだけそのスポーツを楽しめるようになる。
  
  
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