ランナーならルーティンを持っているはずだ。多くのランナーが定時にシューズを履き、興奮と気合いを同時に感じながら、道路やトレッドミルの上を走っている。また、ランナーは基本的に練習熱心なので、彼らの平均能力は高い。
しかし、特定の筋肉群に刺激を加えてランニングの才能をさらに伸ばせるワークアウトが存在する。今回はランナーに効果的なローイング系トレーニングメニューを5種類紹介しよう。
《ランナー用ローイング系トレーニングメニュー》
トレーニングメニューやワークアウトルーティンにローイング系メニューを取り入れて全身を鍛えたいと思っているなら、ローイングマシンを用意して(もしくはジムのローイングマシンで)次の5種類のメニューに取り組んでみよう。
1:ロングスプリント
ロングスプリント・ローイングでは、45秒を1セットにして8セット繰り返したい。セットとセットの間の休憩は15~30秒に設定する。ロングスプリントは持久力の向上に役立つ。
2:ストロークレート・ラダー
このトレーニングメニューでは合計20分のローイングをこなす必要がある。20分を5分・4セクションに区切り、さらにその各セクションを1分で区切り、1分ずつストローク数(ストロークレート)を上げることを意識する。慣れるまでは2~3分同じストローク数(ストロークレート)で続けても問題ない。
3:500mリピート
このトレーニングメニューでは、500mローイングを4セット繰り返す。セット間の休憩は2分に設定する。ローイングのスピードアップに効果があるこのメニューは、ランニングのスピードアップにも効果がある。
4:タイム・ラダー
タイム・ラダーは10分のノンストップローイングだが、10分を強度別に分けてアレンジできる。たとえば「イージーペース4分 / ミドルペース3分 / ハードペース2分 / 限界ペース1分」のように、自分の体調や目標に合わせて分数を区切ってトレーニングする。
5:ピラミッドパワー
このトレーニングメニューでは、セットの分数を1分から4分まで延ばしたあと1分まで戻していく。
「ローイング1分・休憩1分」からスタートし、「ローイング2分・休憩2分」、「ローイング3分・休憩3分」、「ローイング4分・休憩4分」まで延ばす。
ここまで来たら、今度は「ローイング3分・休憩3分」、「ローイング2分・休憩2分」、「ローイング1分・休憩1分」と戻していく。
ローイングの中級メニューとして扱われており、持久力を鍛えることができる。
《ローイングがランナーに与えるメリット》
ローイング系メニューがランナーに与えるメリットの数は非常に多い。その中からいくつか紹介しよう。
- 姿勢:ランニングのパフォーマンスを高め、怪我や張りを防ぐためには正しい姿勢を手に入れなければならない。ローイング系メニューに取り組めば、背筋が伸び、肩甲骨が寄っていて、胸が開いている姿勢で座りながら両腕を体幹の方向へ引いていくので、ランニングに最適な姿勢を手に入れるのに大いに役立つ。
- 柔軟性:ランニングで刺激が入るのは小さな筋肉群が中心だが、パフォーマンスを高めたいのなら、大きな筋肉群にも刺激を入れて柔軟性を高める必要がある。ローイングはそのような大きな筋肉群に刺激を入れて柔軟性を高めてくれるので、ランニングで全身の筋肉を上手く使えるようになる。
- パワー:ローイングは大きな筋肉群の柔軟性を高めるので、ランニングのパフォーマンスが高まると説明したが、ローイングは同じ筋肉群にパワーを加えることもできる。ランナーがローイングに取り組めば、これまで上手く使えていなかった筋肉群がパワーアップしたように感じるはずだ。ローイングは上半身全体のパワーアップに大いに役立つ。
- 安定性:ランニングの安定性が増せば、その分だけ出力を高められるので、結果的にパフォーマンスが上昇する。また、安定性が増せば重心がぶれなくなるので、姿勢を保ち続けることができる。
- 代替トレーニング:怪我をしている時はトレーニングを休むのが普通かもしれないが、ローイング系トーレニングメニューに取り組んでみよう。ローイング系トレーニングメニューはインパクトが加わらないので、リハビリ中でも安心して取り組める。ただし、医師の指示を優先しよう。
《ローイングのテクニック》
ランニングでもローイングでも、トレーニングは正しいテクニックで行わなければ意味がない。ローイングを最大限ランニングに活かせるようにするために、ローイングの正しいテクニックを紹介しておこう。
- しっかり握る:ハンドルバーをしっかり握ることを意識する。正しく握れていればプルとプッシュをする時の手首が固まらず、余裕が生まれる。
- 足を固定する:フットレストに両足をしっかり固定する。ストラップはシューズの靴紐の上へ来るようにする。
- 姿勢を維持する:脛が床に対して90度、上半身はやや前傾、両肩から尻までが直線になるようにする。これがスターティングポジションになる。この姿勢が取れれば、両足の踏み込みを最大限活かせるようになる。次に、両脚を伸ばしながらハンドルを胸の方向へプルしていくが、スムーズな一連の動作になるように意識する。脚が伸びきったら膝を曲げながら両腕を伸ばし、最初の姿勢まで戻す。
ローイング系メニューをストレングストレーニングの通常メニューに組み込めば、ランニングのパフォーマンス向上に必要な筋力を手に入れることができるので挑戦してみよう。
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