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サッカー

超初心者用サッカーガイド:全ポジション解説

トップ下って? ボランチって? サッカー観戦中に質問攻めをして隣の人に嫌な顔をされたくない人のための超入門ガイド!
Written by Sean Wright
読み終わるまで:7分Published on
数字上はサッカーが世界で最も人気のあるスポーツだ。世界200カ国・2億5,000万人が選手としてプレーしており、3歳から練習を始めている。しかも、ここにファンは含まれていない。ファンは全世界で35億人もいる!
英語で “beautiful game / ビューティフルゲーム” と表現されることもあるサッカーがここまで多くの人たちを魅了している理由は、初めてでも簡単に学べるからだ。しかし、リヴァプールに所属するイングランド代表DFトレント・アレクサンダー=アーノルドのようなトップ選手に尋ねれば、チームワークも魅力のひとつであることが分かる。
アレクサンダー=アーノルドは「全員が仕事をしている限り、つまり、攻撃陣がゴールを決めて、守備陣が失点をゼロに抑えている限り、そこまで大きな間違いは起きません」とコメントしている。
というわけで、1チーム11人のチームスポーツであるサッカーの各ポジションとそれぞれの役割を簡単に解説していく。
Trent Alexander-Arnold and Norway's Erling Haaland in the heat of a match.

Alexander-Arnold vs Haaland

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01

ゴールキーパー

ゴールキーパー(GK / キーパー)はピッチ上で最も重要なポジションかもしれない。なぜなら、守備の最後方に位置しているからだ。GKは賢く、反応が速く、一瞬で決断を下せなければならない。GKの主な仕事は相手チームのゴールを防ぐことだが、相手チームのシュートをセーブしたあとはゴールキックやスローで攻撃を組み立てる役割を担う。
他のポジションの選手とは異なり、GKはピッチ上で唯一手を使うことを許されている。他のポジションの選手が手を使えるのはスローインのときだけだ。GKは非常にフィジカルなポジションで、頭から両手、両つま先までの全身を使ってゴールを防ぐ必要がある。
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02

右・左サイドバック

右・左サイドバック(RSB / LSB)は守備陣の両サイドを担う。どちらも基本的には運動能力スタミナに優れていなければならない。
主な仕事は両サイドから攻撃を仕掛けてくる相手チームの選手を止めることで、スピードとフィジカルの勝負になる。1対1の状況になるときも多く、相手からボールを奪うか相手にパスを出させる必要がある。2人が突破されてしまえば、相手チームにクロスやシュートを許してしまう確率が高くなる。
また、両サイドバックは攻撃に絡むときも少なくない。味方チームが右サイドから攻撃を仕掛けているときは右サイドバックが攻撃参加し、左サイドから攻撃を仕掛けているときは左サイドバックが攻撃参加する。両サイドバックが同時に攻撃参加するのは珍しく、基本的にはテコの原理のようにどちらかが上がればどちらかが下がる。

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03

センターバック&スイーパー

センターバック(CB)とスイーパーはどちらも守備陣の中央に位置するが、役割は少し異なる。
スイーパーは文字通り “掃除係” を意味しており、守備陣のさらに後方に位置し、守備陣の裏へ抜けてくる攻撃を潰す役割を担う。スイーパーは、守備陣が4人でセンターバック2人が縦に並ぶフォーメーションでGKにより近いセンターバックが担うときが多い。守備陣が4人でセンターバック2人が横に並ぶ場合、ポジションとしてのスイーパーはない。
いずれにせよ両ポジションの主な仕事はゴール前にボールを運ばせないことだ。彼らはパスのインターセプトやタックル、シュートブロックなどを駆使して相手チームの攻撃を弾き返す
両ポジションが攻撃に絡むときは少ないが、チーム全体の押し上げやボールポゼッションには非常に大きな役割を担う。また、GKと同じくボールを奪ったあとパスやロブで攻撃陣にボールを供給するときも多い。

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04

右・左ウインガー

サイドバックと同じく両サイドに位置するが、こちらは攻撃の選手で “サイドアタッカー / サイド” と呼ばれるときもある。このポジションの主な仕事は両サイドからドリブルや裏に飛び出す動きで攻撃を仕掛け、クロスを上げてゴールチャンスを生み出すか、ドリブルで中へ切り込んでシュートを打つことだ。
サッカーのゴールは中央からの攻撃から生まれるときが多いが、その攻撃をアシストしているのは、ウインガーたちによるサイドからの仕掛けだ。ドリブルを含む足元のスキルが高く、高精度のクロスが得意で、シュートも上手く、両サイドを何往復もできる無尽蔵のスタミナも持っている必要があるため、オールラウンダーが務めるのが相応しい。また、両サイドバックと連動する必要もある。

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05

セントラルディフェンシブミッドフィールダー

“CDM / 守備的MF / 中盤の底 / ボランチ” とも呼ばれるこのポジションには、知性・フィジカル・スタミナが求められる。中盤の下がり目の位置にひとりか2人配置されるときが多い彼らの主な仕事は、相手チームの中央からの攻撃を早めに止めて、ボールポゼッションを奪い返し、攻撃を組み立てていくことだ。センターバックやスイーパーと同じようにタックルやインターセプトでボールを奪って攻守を切り替えていく。
攻撃におけるDMFはパス能力に優れている必要がある。基本的に守備に重きを置いているためゴール数は少ないが、このポジションから攻撃が始まることは多い。
攻撃陣よりも少し下がった位置にいるため、相手チームから受けるプレッシャーが少なく、長短のクリエイティブなパスを高精度で出せるスペースが得られているからだ。そのため、パス能力だけではなく広い視野と優れた判断能力も求められる。ちなみにボランチはポルトガル語で “ハンドル / 舵” を意味する。
06

セントラルミッドフィールダー

セントラルディフェンシブミッドフィールダーとセントラルアタッキングミッドフィールダー(後述)のタスクをひとりで担うのがセントラルミッドフィールダー(CM)だ。シンプルに “MF / 中盤” と呼ばれるときもある。その名前の通りピッチの中央に位置し、攻守両方に参加しながら試合全体をコントロールしていく。
中盤の役割が今のように細分化されていなかった時代から存在するクラシックなポジションで、おそらくは他のどのポジションよりも1試合の走行距離が長い。そのためスタミナが非常に重要になるが、スピード、パス能力、戦術眼、ドリブル、足元にも優れていなければならない。攻撃では相手守備陣の裏へ飛び出し、守備では味方守備陣のさらに後方まで戻れる彼らはまさに万能だ。

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07

セントラルアタッキングミッドフィールダー

いわゆる “10番” 。“攻撃的MF / CAM / トップ下” とも呼ばれるこのポジションはフォワードの後方、セントラルディフェンシブミッドフィールダーまたはセントラルミッドフィールダーの前に位置する。攻撃の仕掛けを作り、チャンスがあればゴールも狙うのが主な仕事なので、優れた視野と判断能力、ドリブルやパスの能力が必要になる。
ディフェンシブミッドフィールダーとは異なり相手陣内にいる時間が長く、つまりは常にプレッシャーに晒されながらチームに前を向かせるプレーをする必要があるため、驚きとインスピレーションに満ちたアイディアを披露してくれるときがある。

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08

フォワード

“ストライカー / FW / トップ” とも呼ばれるこのポジションは相手GKにとっての脅威だ。相手陣内深くまで入り込み、ペナルティエリア内外からシュートを狙ってくる。当然ながら、主な仕事はゴールを決めることなので非常に優れたシュート能力を備えている必要がある。
他のポジションとは異なり、守備にはそこまで深く関わらないが、チーム戦術によっては最前線でボールを追い回す。シュートまで結びつけるための当たり負けしない強靭なフィジカル裏へ抜けるスピードドリブル能力も必要だ。
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まとめ

GKからFWまで、ピッチ上の全員がそれぞれ重要な役割を担っている。1対1に強い選手がいれば、スタミナに優れている選手やシュートが上手い選手もいる。このような多様な選手たちがひとつのチームとしてまとまって勝利を目指すところにサッカーの醍醐味があると言えるだろう。
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