クライミング
クライミングイベントを観戦して「どのようにポイントや順位が決まっているのだろう?」と疑問に思った人のために、採点方法を簡単に解説!
スポーツクライミングは過去10年でかなりの人気を獲得しており、現在、アウトドアとインドア(クライミングウォール)の両方で世界150カ国・3,500万人以上がこのスポーツを楽しんでいる。
クライミングイベントは、このスポーツ最初のインターナショナルイベント(1985年にイタリア・バルドネッキアで開催されたSportRoccia)以来、大きく姿を変えた。
今夏の世界最大のスポーツイベントにも採用されており、キム・ジャインやアルベルト・ヒネス・ロペスのようなトップクライマーたちがパリに集結する。そこで、あらためて採点方法を学んでおこう。
通常、国際スポーツクライミング連盟(IFSC)主催イベントではボルダリング、リード、スピードの3種目が男女別で開催されているが、パリでは2種目(ボルダリングとリードの複合 / スピード)が男女別で開催される。
スペイン人トップクライマーのアルベルト・ヒネス・ロペスは次のように語っている。「前回の東京では3種目すべてで高いレベルを保つ必要があり、スピードを中心にかなりの努力が求められました。ですが、今はリードとボルダリングにフォーカスできます。シーン全体が上手く変化に対応できたと思います」
01
複合
複合種目ではクライマーたちはボルダリングとリードに挑み、最終順位はそれぞれの種目で獲得したポイントの合計で決定する。ポイントはウォールのどこまでにどのように到達するかによって決まってくる。
《ボルダリング》
ロープがなく、制限時間も設定されているボルダリングでは、クライマーたちは高さ4.5mのウォールをできる限り少ないアテンプトで攻略しなければならない。最終目標はウォールをできる限り高く登ることで、クライマーは有効なムーブごとにポイントを獲得し、無効・失敗したムーブごとにポイントを失う。獲得できる最大ポイントは100ポイントに設定されている。
テクニック、継続的な努力、自信、強靭なメンタルがボルダリングに求められる資質だ。アルベルト・ヒネス・ロペスは「ボルダリングでは筋力とテクニックも重要ですね」と語っている。
《リード》
リードでは、クライマーたちは新しいルートとホールドが用意された高さ15m超のウォールに挑む。6分の制限時間が設定されているため、ライバルたちからのプレッシャーに加えて時間のプレッシャーも受けることになる。
ボルダリングと同じように、最終目標はウォールをできる限り高く登ることで、有効なムーブごとにポイントを獲得し、無効・失敗したムーブごとにポイントが差し引かれる点も同じだ。獲得できる最大ポイントも100ポイントとなっている。
ヒネス・ロペスは次のように語っている。「僕はリードが一番好きですね。この種目からクライミングを始めましたし、思い入れがあります。かなりのテクニックが求められますが、短時間で課題を解決する面白さもあります。アテンプトが1回だけな点も魅力ですね。足を置く位置を1回間違えればそれで終わりです。スタミナと持久力が求められます」
前述した通り、複合の最終順位はボルダリングとリードの合計ポイントによって決定されるため、クライマーは最大200ポイントを獲得できる。
02
スピード
スピードは観戦性に優れている種目だ。クライマーは高さ15m・前傾5度のウォールをできる限り速く登らなければならない。
スピードは1on1形式で、同じ2本のルートで並び合って対戦する。最初に登りきったクライマーが勝者となる。ファイナルまでこの形式で進んでいき、ファイナルで優勝者が決定する。ウォールを登りきるまでのタイムは、男子は平均6秒、女子は平均7秒となっている。
03
ペナルティ
他のあらゆるスポーツと同じで、クライミングでもルールを守れなかった場合はペナルティが科される。いくつか例を紹介しよう。
- 時間:スピードおよび複合で、制限時間を超過した場合は減点対象となる。
- アクション:シーケンスから外れる、間違ったホールドを掴む、規定のホールドを使用しないなどは減点対象となる。
- フライング:スピードクライミングでクライマーがスタートから0.100秒以内に動き始めた場合は失格となる。
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「スポーツクライミングとは何か?」 の基礎知識が学べる記事は【こちら】
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