11 mistakes for runners to avoid on race day
© Tomislav Moze for Wings for Life World Run
マラソン

ランナーがレース当日にやりがちな10のミス

レース当日に朝食を食べ過ぎたり、新品のランニングシューズを履いたり、スタート直後にダッシュしたりするのはNGだ。避けたいミスと正しい準備方法を解説する。
Written by Isaac Williams
読み終わるまで:6分Updated on
スケジュール通りにトレーニングを進めて、これまでにないレベルのフィットネスを得ても、レース当日のストレスが自分を上回ってしまえばすべてが無駄になってしまう。
しかし、幸運なことに、レース当日の間違いの多くは、その直前の準備の間違いから来ている。レース前に正しく準備しておくだけで、自己ベスト更新の可能性を高めることができるのだ。
そこで今回は、レース当日にやりがちなミスとその解決法をリストアップしていく。
01

ミス1:すべての準備を朝にする

レース会場が自宅から5分の距離にあろうと、電車で2時間の距離にあろうと、レース当日の朝はできる限りリラックスして “ストレスゼロ” で迎えたいものだ。そのためには、前もってすべての準備を済ませておく必要がある。
事前準備を怠ればレースも失敗に終わる

事前準備を怠ればレースも失敗に終わる

© Getty Images

会場までの移動方法の確認、パッキングゼッケンの装着、ウェアの整理、シューレースの確認、朝食の下準備、そして最も重要な「アラームのセット(複数回)」を寝る前に済ませておこう。
02

ミス2:新品のランニングシューズを履く

レース当日にピカピカの新品ランニングシューズを試すというのは、擁護のしようがない愚かなミスで、歩くのも嫌になるくらいの靴擦れか、それ以上の大怪我に繋がる可能性が高い。
子供の頃、母親に買ってもらった革靴と同じで、ランニングシューズも自分の足に馴染むまではある程度の時間が必要なことを覚えておこう。
03

ミス3:朝食を食べ過ぎる

ランナーは良く食べる方だが、レース当日朝はそのタイミングではない。
カーボローディング(炭水化物を大量に摂取して、エネジー源のグリコーゲンを体内に蓄積すること)はレース前の準備としては効果的だが、胃腸が重くなってしまうのは避けたいので、大量の食事はレース前日のランチまでに終わらせておこう。
カーボローディングはレース前日昼までに終わらせよう

カーボローディングはレース前日昼までに終わらせよう

© Arek Adeoye/Unsplash

レース当日の朝食について、栄養士のエヴェリン・トーナーは次のアドバイスを送っている。
炭水化物が多く含まれる少量の食事をしましょう。胃腸が弱い人は繊維質を控えてください。フルーツをのせたポリッジ、または牛乳をかけたコーンフレークフルーツジュース1杯がグッドチョイスでしょう」
また、ランニングシューズと同じで、レース当日の朝食も食べ慣れている物、もしくは事前に試して自分に合っている物を食べるようにしよう。
04

ミス4:レース会場に早く着きすぎる

もちろん、遅刻するよりはましだが、心配し過ぎてレースの何時間も前に会場に到着してしまうのも理想的とは言えない。退屈に感じてしまうばかりか、レースについて考えすぎてしまう可能性が高い。
また、屋外にいる時間が長くなれば、その分だけ筋肉の温度が低下し、怪我に見舞われてしまう確率が高くなる。
05

ミス5:水を飲み過ぎる

水分補給を十分に行っておくことは重要だ。10km以上走るならその重要性はさらに高まる。しかし、食事と同じで、当日朝にがぶ飲みするのではなく、レース前日までに終わらせておこう。
水分補給はほどほどに

水分補給はほどほどに

© Chris Ralston/Unsplash

レース直前に大量の水を飲んでしまえば、膀胱が膨らんでしまい、想定外の “ピットストップ” をしなければならなくなるだろう。
06

ミス6:ウォームアップをしない

ウォームアップをすれば筋肉がほぐれ、怪我の確率を下げることができる。また、短距離を走れば心拍数が高まり、身体に「これから起きること」を事前に教えられるので、真剣勝負の緊張に呑み込まれなくなるというメリットもある。
Asics Pro Teamのフィジオを担当するサラ・コナーズはウォームアップについて次のようなアドバイスを送っている。
「ウォームアップの距離とスピードは、レース内容によって変わります。レースの距離が長いなら、ウォームアップは軽めにして良いでしょう。なぜなら、レース中にそこまで速く走らないからです」
「また、ロンドンマラソンなど、ランナーが多いレースでは、スタート直後の1マイル(1.6km)強がウォームアップの代わりになり、自分をレースペースへ押し上げてくれます」
また、コナーズは短時間・短距離のレースに関しては、「適度なペースのジョギングのあと、ストライドランニングドリルダイナミックエクササイズを組み合わせて、手足と筋肉を温めて機動性を高めるのが良いでしょう」としている。
07

ミス7:スタート直後にダッシュする

これはアマ、プロを問わず一番やりがちなミスだ。
周囲のランナーが凄まじいスピードで飛び出していっても、悟りの境地に達した高僧のように毅然とした態度で当初のレースプランを守り、持続可能なペースで走るべきだ。
ウサギとカメの話を思い出そう

ウサギとカメの話を思い出そう

© Matthias Heschl for Wings for LIfe World Run

はやる気持ちを抑えるのは難しいかもしれないが挑戦する価値はある。なぜなら、数キロあとに今度は自分が素晴らしいスピードで彼らを抜き去ることができるからだ。
ランニングコーチのカレン・ウィアーは「スタート直後にタイムを稼ごうとしてはいけません。トレーニングのペースを維持し、ネガティブスプリット(レース後半が前半より好タイム)を目指しましょう」とアドバイスを送っている。
08

ミス8:他人のペースで走ってしまう

スタート直後のダッシュと同じで、こちらもやりがちなのだが、レースが落ち着いてくると、今度は他人のペースで走ってしまいがちだ。
他人のペースに合わせてしまえば自己ベスト更新は難しくなる

他人のペースに合わせてしまえば自己ベスト更新は難しくなる

© Robert Snow for Wings for Life World Run

しかし、他のランナーとペースを合わせようとする必要はゼロだ。たとえ、目の前を走るランナーを逃がすことになっても、自分のペース自分のレースをしよう。
無理をすれば燃料切れを起こしたり、目標タイムより遅れてしまったりする可能性がある。
09

ミス9:オフィシャルカメラマンに気付かない

自己ベスト更新をSNSで大々的に発表したいのなら、これは絶対に避けたいミスだ。
走りながらオフィシャルカメラマンの存在に目を光らせておき、彼らの姿を確認したら、頑張ってランニングフォームを整えよう。
10

ミス10:レース後にクールダウンしない

タフなレースを終えたあと(レース内容が良かった場合は特にそうだが)は、ソファと美味しい食事に意識を占領されてしまいがちだ。しかし、レースが終わったあとももう少し身体を動かせば、翌日身体から感謝される。
レース後のクールダウンを忘れないようにしよう

レース後のクールダウンを忘れないようにしよう

© Matthew LeJune / Unsplash

コナーズは次のようにアドバイスを送る。
「ゴール後も、心拍数が落ち着くまでスローペースでジョギングを続けましょう。また、特定の部位が固まっているなら、スタティックストレッチを行いましょう」
「フォームロールとストレッチはテレビを見ながらできますので、レース後のリカバリーに最適です」
(了)
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