Gaming
経験豊富なゲーマーは言葉を使わなくても対戦相手やチームメイトとコミュニケーションが取れる。スポーツゲームならプレーで意思を伝え、レーシングゲームでは狙い澄ませたドリフトがメッセージを伝えるかもしれない。
しかし、それでもインゲームチャットに勝るものはない。ビデオゲームが時間とともに進化・変化・成長し、オンライン・マルチプレイヤーが生まれていくと、言葉も同じ道を歩み、プレイしているタイトルごとに独自の言語が生み出されていった。
ゲーマーの言語はテクノロジーとともに世に放たれる新たなプラットフォームに対応しながら常に変化を続けている。そのため、ベテランなら問題はないかもしれないが、オンラインタイトルで使用されている数多の略語やスラングをこれから理解しようとしているビギナーは少し気落ちしてしまうだろう。
というわけで、今後世界で活躍したい、世界中のプレイヤーと一緒に楽しみたいと思っている初心者に助け船を出すべく、世界共通の英語ゲーミング用語・略語・スラングのリストを用意してみた。ゲーミング用ロゼッタ・ストーンとして活用してもらえれば幸いだ。網羅とまではいかないが、できる限り集めたリストとなっているので、新たな地平線を切り拓く助けになってくれるはずだ。
01
英語ゲーミング用語・略語・スラング 50選
AAA:大作ビデオゲーム。完全新作から名作のリメイク版まで様々。例:『グランド セフト オート』シリーズ、『ゼルダの伝説』シリーズなど。
AD:アタックダメージ(Attack Damage)の略。この値は『Dota 2』や『リーグ・オブ・レジェンド』のような複数の敵を同時に相手にするMOBA(マルチプレイヤー オンライン バトルアリーナ)で非常に重要になる。
ADS:エイム ダウン サイツ(Aim Down Sights)の略。プレイヤーがサイトを覗いて高精度でエイムすることを意味する。腰だめ撃ちの反対。
AFK:アウェイ フロム キーボード(Away From Keyboard)の略。“キーボードから離れている” という意味から転じてPCやゲーム機の前から離席すること。
AoE:エリア オブ エフェクト(Area of Effect)の略。範囲効果・範囲攻撃を意味する。特定の対象ではなく、特定の範囲に効果・攻撃を加えること。
Bot:ボット。コンピューター操作のキャラクターまたは物体を意味する。『マリオシリーズ』ならクリボーからクッパまでのすべての敵キャラクターがこれに含まれる。
Buff:バフ。『リーグ・オブ・レジェンド』のチャンピオンなど特定のキャラクターを強化すること。
BM:バッド マナー(Bad Manner)の略。プレイヤーがマナーの悪い行動を取ったときに使用される。例:『コール オブ デューティ』でスナイプされたあとに罵詈雑言をわめく、サッカーゲームで大量リードを奪ったあとさらに相手を刺激するようなゴールセレブレーションを行う。
Camp:キャンプ。敵を背後から狙えるような特定の有利な位置に陣取って相手を待つことを意味する名詞・動詞。対戦相手から顰蹙(ひんしゅく)を買いがちなプレイだが生存確率は高い。対戦相手がリスポーンする場所に陣取ることを【Spawn Camping】(スポーン キャンピング)と呼ぶ。
Clan:クラン。同じタイトルをプレイするプレイヤー同士で構成されるチームまたはグループを意味する。メジャーイベントに参戦しているプロeスポーツチームから友人同士のグループまでを含む。
Cooldown:クールダウン。特定の能力や武器(例:『リーグ・オブ・レジェンド』のサモナースペル)が再び使用できるようになるまでにかかる時間を意味する。
Craft:クラフト。ゲーム内のアイテムや素材を使用して他のアイテムや物体を作ること。『フォートナイト』で木を使用してタワーを建てるなどが相当する。
DLC:ダウンローダブル コンテント(Downloadable Content)の略。有料・無料の追加コンテンツ。マルチプレイヤー用マップから新キャラクターやアビリティまでが含まれる。
DPS:ダメージ パー セカンド(Damage per Second)の略。キャラクターや武器が1秒で与えられるダメージ量を意味する。値が大きいほど攻撃効率が良いとされる。
Easter Egg:イースターエッグ。ゲーム内の隠し要素を意味する。『スーパーマリオ オデッセイ』の『スーパーマリオ64』のヨッシーオマージュのようなシンプルな仕掛けから『コール オブ デューティ ブラックオプスII』のAtari 2600までのゲーム内ゲームまで様々なバージョンが含まれる。
Frag:フラグ。敵を倒す(キル)すること。たとえば、エントリーフラガーは “戦闘を仕掛けてなるべく多くの敵を倒すロール”。語源のフラググレネードそのものを意味するときもある。
FPS:ファーストパーソン シューター(First-Person Shooter)の略。『VALORANT』のような一人称視点でプレイできるアクション / シュータータイトルを指す。このタイトルを使用する【Red Bull Campus Clutch】は世界最大の学生FPSチームトーナメントとして知られている。
Gank:ガンク。自分より弱いまたは数的不利の相手プレイヤーを攻撃すること。主に『リーグ・オブ・レジェンド』で使用される。
Glitch:グリッチ。ゲームプレイのバグや不具合を利用してアドバンテージを得ること。“利用” するときは “悪用” にならないように注意が必要。
Grind:グラインド。経験値を増やしたり報酬をアンロックしたりするために同じアクションを繰り返すこと。“ファーミング” や “作業” も同義。格闘ゲームでは対戦や練習を重ねることを意味するときがある。
Hitscan:ヒットスキャン。発射したあと様々な要素(弾速や軌道)が計算されて着弾するのではなく、発射した直後に着弾してダメージが入る武器やキャラクターを指す。
HP:ヒットポイント(Hit Points)の略。キャラクターやユニットの基本体力や残り体力を指す。
HUD:ヘッドアップ ディスプレイ(Head-Up Display)の略。画面上に表示されるあらゆる視覚的要素および情報(体力・マップ・武器・残弾数・目標・経験値など)の総称。
Kiting:カイティング。自分と相手の間に十分な距離を取りながらヒットアンドランを仕掛けること。凧の操作(糸を引いたり離したりして距離を保つ)に近いことから。たとえば、『World of Warcraft』の強豪クランは集団でカイティングを仕掛けるのが上手い。
Lag:ラグ。インターネットの接続が悪くプレイに遅れが生じること。ラグい。
Mashing:ボタンマッシング(ボタン連打)のこと。格闘ゲームの初心者がどうしたら良いのか分からずに適当にボタンを連打することは “ガチャ押し” と呼ばれる。
MMORPG:マッシブリー マルチプレイヤー オンライン ロールプレイングゲーム(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)の略。大規模・多人数のオンラインRPGを意味する。『ファイナルファンタジーXI』や『World of Warcraft』など。『Dota 2』や『リーグ・オブ・レジェンド』に代表されるMOBA(マルチプレイヤー オンライン バトルアリーナ)とは別。
Meta:メタ。そのときの流行・傾向を意味する。モースト エフェクティブ タクティクス アバイラブル(Most Effective Tactics Available)の略、つまり、タイトルやシーンごとの一番人気の戦術(立ち回り)や攻略方法を指すときもあるが、基本的には前者。FPSや格闘ゲームのメタはアップデートや修正ごとに変わることが多い。
MOD:モッド。モディフィケーション(Modification)の略で、プレイヤーがゲームを改造すること、またはその改造データを意味する。マップのレイアウトやキャラクターのルックスなど、ビジュアルに変化を加えるものが多い。
Nerf:ナーフ。『リーグ・オブ・レジェンド』のチャンピオンなど特定のキャラクターや武器を弱体化すること。プレイヤー間で特定のキャラクターや武器が強すぎると判断されている場合、開発チームが当該キャラクターや武器を次のアップデートで弱体化してバランスを取るときがある。
N00b:ヌーブ。特定のゲームの初心者を指す。ルーキー(rookie)やニュービー(Newbie)も同義。基本的にテキストチャットでこれを使われたら馬鹿にされていると思うべき。もちろん、仲間同士でからかって使うときもある。
NPC:ノン プレイアブル キャラクター(Non-Playable Character)の略。ゲーム内のプレイヤーが操作しないキャラクター全般を指す。
OHKO:ワン ヒット ノックアウト(One Hit Knock-Out)の略。1発またはコンボ1回で相手をKOすること。レアだが不可能ではない!
OG:オリジナル ギャングスタ(Original Gangster)の略。転じて特定のビデオゲームのベテランプレイヤーまたはハイレベルなプレイヤーを意味する。The International史上初・唯一の連覇を達成した『Dota 2』のプロチームOGとは別。
OGの連覇達成までの道のりを記録したドキュメンタリーをRed Bull TVでチェック!
1 時間21 分
Against the Odds -大逆転物語-
2018年、ビデオゲーム『Dota 2』のプロチームOGは最悪の状態だった。遺恨を残す形で主力が移籍し、シーン最大のトーナメントTI8の予選免除も逃していた。esports史上最高賞金総額を毎年更新しているビッグトーナメントに、傷だらけのまま挑んで栄光を掴んだ彼らのミラクルを追う。(日本語字幕)
Peel:ピール。元々は “はがす” を意味する動詞で、敵を自分に引きつけたり、攻撃したりして、弱いチームメイトが攻撃されないようにすることを意味する。
Ping:ピン。①コンピューターとサーバーの通信時間 ②チームメンバーが方向や物体、敵を教えるために画面上に打つマーカー。
PvP / PvE:PVPはプレイヤー vs. プレイヤーを意味する。いわゆる対人戦。PvEはプレイヤー vs. エンバイロンメントで、プレイヤーがコンピューター操作のキャラクターや物体と対戦することを意味する。『バイオハザード』シリーズのような世界全体が敵のタイトルもPvEに含まれる。
Pwned:Owned(オウンド)の言い換え。キーボード上のPとOが隣同士で打ち間違えが多いことから、転じてOwned(できている・手に入れている)の逆の意味 “できていない・やられている” を意味するようになった。トラッシュトークで上手く言い返せないときはテキストチャットで相手からこの単語を投げかけられる可能性がある。
Ragequit:レイジクイット。いわゆるキレ落ち。ラグや不運、またはパフォーマンス不足でフラストレーションを募らせ、対戦中にゲームから退出する行為。『FIFA』の【FUT】では頻繁に見られる。コントローラーを破壊してしまうプレイヤーも少なくない…。
RNG:ランダム ナンバー ジェネレーター(Random Number Generator)の略で、ゲーム内のランダム生成アルゴリズムを指す。宝箱の中身やキャラクターへのダメージ量など様々な要素がこれによって決められている。
RPG:ロールプレイングゲーム(Role Playing Game)の略。伝統的に『ファイナルファンタジー』シリーズのようなターン制RPGを指してきたが、最近は対象が広がってきており、『アサシン クリード』シリーズのようなタイトルも含むようになってきている。
Scrub:スクラブ。自分の下手さを棚に上げて対戦相手などの外的要素を敗因にするプレイヤーや言い訳がましいプレイヤーを指す。面倒くさいタイプ。
Skin:スキン。キャラクターや環境のルックスを変えるもの。『コール オブ デューティ』や『フォートナイト』のキャラクター用スキンなどが有名。ゲーム内通貨や経験値と交換してアンロックできるものが多い。
Smurf:スマーフ。ベテランプレイヤーが格下のプレイヤーから楽に勝利を得るために別アカウントを作成すること。いわゆる初心者狩り。出くわしてしまったら諦めるしかない。
Snowball:スノーボール。いわゆる “雪だるま式”。チームやキャラクターが時間経過とともに成長して最終的には非常に強力になることを意味する。
Tank:タンク。シューターやRPGのキャラクタータイプのひとつで、体力と防御力が高いキャラクターを指す。他のキャラクターの盾として立ち回る。
TTK:タイム トゥ キル(Time To Kill)の略。敵に攻撃を仕掛け始めてからキルするまでの時間を意味する。FPSで主に使用される。
WP:ウェル プレイド(Well Played)の略。 “良いプレイでした” の意味。自分のチームや対戦相手を褒めるときに使用する。GG(Good Game)とほぼ同義。実際、「GGWP」と連続で使用するときもある。
XP:エクスペリエンス ポイント(Experience Point)の略。経験値。ステージクリアや敵キャラクターの排除、対戦での勝利、コンボ成功、宝箱獲得などによって得られる。
Zoning:ゾーニング。対戦相手に経験値を稼がせないようにすること。あるいは文字通り、対戦相手と距離を取って戦うことを意味する。格闘ゲームでは遠距離タイプを指す。
02
よくある質問
よく使う単語は他にもある?
上に紹介した50単語とは別によく使われているフレーズを紹介しよう。
- Cheese:チーズ。奇策やシステム上の穴を利用して勝利を得たり目標をクリアしたりすること。
- Juggling:ジャグリング。格闘ゲームで相手を空中に浮かせ続けること。お手玉コンボ。
- Noob-Tube:ヌーブチューブ。グレネードランチャーのこと。扱いづらいが高火力な武器を使いたがる初心者プレイヤーが選びがちなため。
- OP:オーピー。オーバーパワード(Overpowerd)の略。強すぎる武器や能力、あるいはそれらを備えているキャラクターを意味する。ぶっ壊れ。
- OTW:オン ザ ウェイ(On The Way)の略。「向かっている / 近くにいる」ことをチームメイトに伝える単語。
ゲーマーの心得とは?
Fakerよりも含蓄のある話ができるプレイヤーはいないだろう。『リーグ・オブ・レジェンド』のレジェンドプレイヤーとして知られる彼は、自分のゲーミングについて次のように語っている。
「僕のストロングポイントのひとつは自分のプレイだけではなくチーム全体の状況を理解できるところです」
このように語るFakerはチーム内に競争心を持ち込まないことの重要性について次のように続けている。
「良く言われているように、チーム(Team)という単語に私(I)は含まれていないのです」
ゲーミング用語が生まれるまでの経緯は?
Atariがこの世に登場して以来、ビデオゲームは長らくひとりで楽しむものだった。
しかし、マルチプレイヤーPCタイトルがリリースされ、『Doom』のCo-opプレイがオンラインで楽しまれるようになると、ゲーマーたちのコミュニケーション方法に変化が生まれ、携帯電話のメッセージのやり取りが反映される形でチャットに略語が使われるようになっていった。
現在はヘッドセットが主流になっているためゲーマーたちの会話はよりプライベートなものになっている。ゆえに常に友好的ではないかもしれないが、正しいコミュニケーションほどチームを勝利に近づけるものはないことを覚えておこう。
上記の単語やフレーズを習得して世界中のプレイヤーたちとスキルを磨こう!
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