T1 hold their trophy high after a flawless victory run
© League of Legends Champions Korea LCK Flickr/Riot Games
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【LoL LCK 2022スプリングプレイオフ優勝】数字とスタッツで知るT1の強さ
レギュラーシーズンからプレイオフまでの全試合に勝利してスプリングシーズンを制したT1の強さをプレイオフ2戦のスタッツと数字から紐解いていく。
Written by Miri Teixeira
読み終わるまで:5分Published on
『リーグ・オブ・レジェンド』の韓国リーグLCKの2022スプリングシーズン、T1はレギュラーシーズンを無敗で終えたという大きな自信と共にシーズン最終盤を迎えていた。彼らは2015年に自分たちが樹立していた連勝記録をさらに延ばし、全勝でプレイオフに進んでいた。
歴史に残るパフォーマンスにより第1シードとしてプレイオフに臨んだT1は、ここでも素晴らしい活躍を続けた。セミファイナルから登場した彼らは、Kwangdong Freecs相手に勝利を挙げ、連勝記録をさらに伸ばすことに成功。ファイナルのGen.G戦は、Gen.Gが好調を維持していたため展開が読めず、実際、Gen.Gは強力なパフォーマンスを披露したが、T1は見事に勝利して、スプリングシーズンのタイトルを両手に収めた。
プレイオフ2試合をスタッツと数字で分析していく。
01

チャンピオン

プレイオフ2試合でT1はチャンピオン18体をピックした。得意とするチャンピオンを最初から選んでいたプレイヤーがいれば、試合展開を見ながら実験をしていくプレイヤーもいた。
まず、Lee “Gumayusi” Min-hyeongは《ジンクス》を好んでいたが、《ケイトリン》と《ザヤ》も1回ずつピック。Lee “Faker” Sang-hyeokは《ヴェックス》、《ライズ》、《アーリ》を同回数ピックした。
Ryu “Keria” Min-seokはゲーム3で《ノーチラス》をピックし、あとは《ラックス》、《スレッシュ》、《タム・ケンチ》をピックした。Moon “Oner” Hyeon-joonは《ヴィエゴ》、《リー・シン》、《ノクターン》を同回数ピックしたが、Gen.G戦のゲーム3で《ダイアナ》をピックした。
MVPを獲得したOner
MVPを獲得したOner© League of Legends Champions Korea LCK Flickr/Riot Games
最後に、Choi “Zeus” Woo-jeはバラエティ豊富なピックとなり、《ジャイス》、《ケネン》、《ルシアン》、《カミール》をピックした。
言うまでもなく、T1の今回のアプローチは上手く機能した。彼らは優れた性能を持っているチャンピオンたちを上手くミックスしたり、切り替えたりすることで対戦相手の虚を衝くことに成功した。尚、今回のプレイオフで最も良くピックされたチャンピオンは5回の《リー・シン》だった。
02

ダメージ

『リーグ・オブ・レジェンド』で最も高い満足感が得られることのひとつが、高いDPM(Damage Per Minute / 1分あたりのダメージ量)だ。これは、プレイヤーたちがそれぞれのスタッツを向上させるために集まってカオスでスピード感溢れる攻防を展開する中で確認できる。
Gen.G戦のゲーム2で、Gumayusiは圧倒的な833DPMを記録した。しかも、彼は1ゲーム平均500DPM以上をキープし、"T1最強の矛" という評価を1回も傷つけなかった。Zeusも同レベルの素晴らしいパフォーマンスを披露し、Kwangdong Freecs戦のゲーム2で最高759DPMをマーク。この時点(およびこの対戦)でのKwangdong Freecsの最高DPMはわずか484だった。
03

キル数

キル数について話すと、プレイオフを通じてT1がキル数でファンを落胆させることは一度もなかった。GumayusiはGen.G戦ゲーム2での素晴らしいDPMをマークしたが、彼はこの対戦でチーム最多キル数10もマークした。尚、この数値はGen.GのChoi “Doran” Hyeon-joonもT1が唯一落としたゲームでマークしている。
ソロキル数ではGen.G戦で1ゲーム3キルをマークしたZeusが首位に立ったが、この記録もDoranが並んでいる。Kwangdong Freecsはキルに関してはT1とGen.Gに引き離されており、1ゲームの最高キル数は3、ソロキル数は2に留まっている。
04

ゴールド

Gumayasiは今回のレギュラーシーズンで大活躍を見せたが、プレイオフのパフォーマンスも同レベルで優れていた。彼はKwangdong Freecs戦のゲーム2で、15分までに6,892ゴールドを獲得し、個人最多ゴールドをマークした。KDFの総ゴールドは23,000だったが、T1は約29,000を獲得。これはプレイオフ2戦を通じての試合開始15分以内におけるゴールド最大差となった。
トップレーナーのZeus
トップレーナーのZeus© League of Legends Champions Korea LCK Flickr/Riot Games
05

MVP

ジャングルで見事なパフォーマンスを披露したOnerがファイナルのMVPに選出された。28分で最終ゲームを終えたというのは素晴らしい偉業だ。Gen.Gはトロフィーを目指してハードにプレイしていたが、T1が主導権を奪い、10回目のLCKシーズン王者に輝いた。
LCK 2022スプリングシーズンのセミファイナルとファイナルがT1にとって緊張感のあるチャレンジングな対戦だったことは間違いないが、彼らはレジリエンスと連携、そしてスキルによって難局を乗り越えていった。
1ゲームは落としたもののT1がスプリングシーズンを無敗で終えたことに変わりはなく、この記録はこの先何年も更新されないだろうと多くのファンが予想している。断固たる決意と優れた能力を見せ続けたT1の全プレイヤーにとって、今回のトロフィーは相応しい結果だ。
T1の次の戦いは、5月に韓国・釜山のBEXCOで開催されるMid-Season Invitational(MSI)になる。ヨーロッパ代表としてG2 Esportsも参加するインターナショナルトーナメントでの彼らの活躍に期待したい。
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