Oracle Red Bull Racing’s RB7 drives during ¡Vamos, Vegas! in Las Vegas, Nevada, USA in November, 2022
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F1

F1ストリート・サーキット 新旧10選

近年のF1で増加傾向にあるストリートサーキットは、ドライバーたちにユニークなチャレンジを課す。公道レースがトリッキーと評価される理由を探りながら、F1の歴史を彩ってきた新旧ストリートサーキットを紹介しよう!
Written by Paul Keith
読み終わるまで:16分Updated on
F1世界選手権は英国の伝統的サーキット、シルバーストンで1950年に始まった。しかし、ドライバーたちは1920年代からモンテカルロ市街地コースのような場所でマシンを走らせていた。
世界各地の有名なストリートサーキットを紹介する前に、公道を使用したストリートサーキットが特別な存在であり、ドライバーたちにとって極めてチャレンジングとされる理由を探ってみよう。

ストリートサーキットの定義

1950年の世界選手権創設以来、ロードコースやオーバル、そして伝統的な常設サーキットまで、F1は多種多様なサーキットを訪れてきた。そしてストリートサーキットもそこに含まれる。ストリートサーキットとは読んで字の如くで、「本来はレースでの使用を想定していない、一時的に封鎖された公道を含むサーキット」を指す。
優れたストリートサーキットを作り出すのは容易ではない。ストリートサーキットはエキサイティングなレースを提供すると同時に、その都市特有の魅力を紹介するものでなければならない。
このような条件を他のどこよりも満たしているのがモンテカルロ市街地コースで、モナコGPは1950シーズンからF1カレンダーに残り続けている。
アイコニックなモンテカルロ市街地コース

アイコニックなモンテカルロ市街地コース

© Getty Images / Red Bull Content Pool

ストリートサーキット特有の難しさ

ストリートサーキットはF1ドライバーたちに特別なチャレンジを突きつけるが、その主な理由はランオフエリアに関係している。より厳密に言えばストリートサーキットに “ランオフエリアは存在しない” 。ドライバーエラーを許容する余地はほとんどなく、ひとつミスをすればウォールの餌食になってしまう。
精確なドライビング集中が不可欠な一方、ストリートサーキットではドライバーの自信も試される。限界ギリギリまで攻められる勇気を持ったドライバーがラップタイムを削り取り、ライバルたちを引き離すのだ。
一般的なサーキットは完ぺきに整備されていることが多いが、ストリートサーキットではバンプ路面のうねりマンホール、さらには滑りやすい多種多様なアスファルト舗装に遭遇することも珍しくない。

F1におけるストリートサーキットの歴史

ストリートサーキットはF1と不可分の関係にある。1950シーズンの第1回イギリスGPの次戦に開催されたレースが、モンテカルロ市街地を舞台にしたモナコGPだった。1955シーズン以降、このアイコニックなサーキットはF1カレンダーに欠かせないお馴染みの存在であり続けている(パンデミックにより中止となった2020シーズンを除く)。
F1世界選手権の黎明期ではバルセロナやリスボン、ポルトなどの公道でもレースが開催された。そして、1970〜80年代を迎えると、F1は米国進出への足掛かりを得ようとダラスラスベガスロングビーチフェニックスなどの各都市にストリートサーキットを設置した。しかし、これらのサーキットは現れてはすぐに消えてしまうことも少なくなかった。
その一方で、メルボルンのアルバート・パーク・サーキットやモントリオールのサーキット・ジル・ヴィルヌーブは今もカレンダーに残り続けている。実は、これらのサーキットはハイブリッドあるいは半ストリートサーキットと呼ぶべき性質のもので、常設のパーマネントサーキットとストリートサーキットの特徴が組み合わされている。
シンガポールのストリートを走行するリアム・ローソン

シンガポールのストリートを走行するリアム・ローソン

© Getty Images / Red Bull Content Pool

ストリートサーキットの進化

1980〜90年代に登場した新世代ストリートサーキットの成功は、さらなる進化への道を切り開き、過去20年で、相当数のストリートサーキットが新たにカレンダーへ加えられてきた。
マイアミやジェッダ、ラスベガスなどは極めて洗練されているため、モナコのような昔ながらのオールドサーキットとの共通点はさほど多くないかもしれないが、たとえ背景がそれらしく見えなくても、大まかな定義ではストリートサーキットと言える。

ストリートサーキットの今後

F1 2024シーズンのカレンダーでは計8カ所のストリートサーキットが設定されており、ドライバーたちはサウジアラビア / オーストラリア / マイアミ / モナコ / カナダ / アゼルバイジャン / シンガポール / ラスベガスのストリート攻略に挑む。
また、2026シーズン、F1は過去30年以上に渡ってスペインGPを開催してきたバルセロナに別れを告げ、マドリード郊外にある大規模展示施設IFEMAエキシビションセンターの周囲でレースを行う予定だ。
01

ラスベガス・ストリート・サーキット

  • コース全長:6.12km
  • コーナー数:17
  • ファステストラップ:1分35秒490(オスカー・ピアストリ 2023年)
  • F1開催:2023シーズン〜
2022年11月に行われたラスベガスGPローンチパーティに登場したセルジオ・ペレス

2022年11月に行われたラスベガスGPローンチパーティに登場したセルジオ・ペレス

© Garth Milan / Red Bull Content Pool

豪華絢爛セレブリティラグジュアリーホテルカジノ…。F1とラスベガスの相性は最高に思えるが、1980年代に開催された最初のラスベガスGPはエルビス・プレスリー風ウェディングチャペルで深夜に酔った勢いで執り行われた結婚式のようで、手放しで褒められるものではなかった。
1981シーズンと1982シーズンのラスベガスGPはどちらもカジノの駐車場に急造されたコースでシーズン最終戦として開催され、どちらも5位フィニッシュのドライバー(ネルソン・ピケケケ・ロズベルグ)がシーズンのドライバーズタイトルを手にする展開となった。
しかし、2023シーズンのラスベガスGPは1980年代よりも洗練されており、ラスベガス・ストリップの豪華なホテルとカジノ群を背景にしたコースでナイトレースとして開催されるため、F1のゲームチェンジャーになる可能性が高い。
ヘルマン・ティルケの息子、カーステン・ティルケがデザインしたこの市街地コースはシーズン最終戦の直前(カレンダー上は第22戦だがエミリア・ロマーニャGPが中止となったため実際は21戦目)にデビューを飾る。
反時計回りのこのサーキットの見所はいくつもある。まず、F1マシンはMSGスフィアを旋回し、目抜き通りのコヴァル・レーンに設置される約800mのストレートを抜けていく。そしてトレジャー・アイランド、ザ・ミラージュ、シーザーズ・パレスなどの有名カジノベラージオの噴水の前を通過し、全長1.9kmのバックストレート時速340kmで爆走する。
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02

アルバート・パーク・サーキット

  • コース全長:5.28km
  • コーナー数:14
  • ファステストラップ:1分20秒235(セルジオ・ペレス 2023年)
  • F1開催:1996シーズン〜
アクション満載のアルバート・パーク・サーキット

アクション満載のアルバート・パーク・サーキット

© Getty Images/Red Bull Content Pool

メルボルン市中心部からトラムに乗り、MCC(メルボルン・クリケット・クラブ)とテニス全豪オープンの会場として知られるロッド・レーバー・アリーナを通過してアルバート・パークで下車したあと、湖に架けられたはしけを歩いて渡ればパドックが見える。オーストラリアGPのサーキットはF1カレンダー屈指の快活な開催地だ。
2021年に改修されたアルバート・パーク・サーキットは改修前よりもコース全長が23m短くなり、コーナーも2個減ったが、広げられたコース幅と再舗装されたアスファルトがメルボルンのスカイラインを臨むこのサーキットでのオーバーテイクとホイール・トゥ・ホイールのチャンスを増やしている。
全体的にバンピーなためF1マシンが激しく揺れることになり、コース幅も広がったものの狭い部類に入るためオーバーテイクも厄介だが、このサーキットの平均時速は235km/hに達する。そのため、アルバート・パーク・サーキットではセーフティカーが導入される機会が多い
03

バクー市街地コース

  • コース全長:6.00km
  • コーナー数:20
  • ファステストラップ:1分43秒009(シャルル・ルクレール 2019年)
  • F1開催:2016シーズン〜
中世の雰囲気の中を走行するバクー市街地コース

中世の雰囲気の中を走行するバクー市街地コース

© Getty Images/Red Bull Content Pool

直角コーナーを8個有しているにもかかわらず、アゼルバイジャンGPのバクー市街地コースは超高速サーキットとして知られており、スタート / フィニッシュのメインストレートではグランドスタンドに座る大観衆を前に数多くのオーバーテイクチャンスが生まれる。
非公式の最高速記録は2016シーズンのヨーロッパGPで当時ウィリアムズに所属していたバルテリ・ボッタスによる378km/hだ。ダウンフォースを大量発生できるセッティングが生み出したこのスピードは、おそらくF1マシンのレースウィークエンド史上最速記録だ。
この市街地コースが他のサーキットと大きく異なる理由は他にも数多くあり、中でも長い歴史が感じられるバクー市内を周回する素晴らしいレイアウトは特別だ。しかし、その街並みは心安まるものかもしれないがレースはその真逆だ。最高時速360km/hをマークする高速レースは、このコースを現時点での最速ストリートサーキットのひとつにしている。
04

ジェッダ市街地コース

  • コース全長:6.17km
  • コーナー数:27
  • ファステストラップ:1分30秒734(ルイス・ハミルトン 2021年)
  • F1開催:2021シーズン〜
中東らしい派手さが特徴のジェッダ市街地コース

中東らしい派手さが特徴のジェッダ市街地コース

© Getty Images/Red Bull Content Pool

2021シーズンにジェッダ市街地コースがF1デビューを飾ったとき、ここがここまで高速でタイトなサーキットとして有名になることを予想していた人はいなかった。
ラスベガス・ストリート・サーキットと同じくカーステン・ティルケがデザインしたこの “ローラーコースター” サーキットではF1マシンが紅海沿いを平均時速250km/hで走行するため、現時点での最速ストリートコースとして認識されている。
しかし、このサーキットはコース幅も狭いため、ドライバーたちには非常に精確なドライビングも求められる。また、全長6.17kmは現行F1カレンダーではベルギーGPが開催されているスパ・フランコルシャン(7km)に次ぐ第2位の長さだ。
ジェッダは街並みも素晴らしく、伝統的なアラビア建築モダンなホテルやギャラリーが組み合わさっている。“巡礼者の港” として知られるこの街には、聖地のメッカとメディナへ向かう旅行者たちが年数百万単位で立ち寄っている。
05

ロングビーチ市街地コース

  • コース全長:3.27km
  • コーナー数:11
  • ファステストラップ:1分28秒330(ニキ・ラウダ 1983年)
  • F1開催:1976シーズン〜1983シーズン
大型客船が背景の重要な構成要素になるサーキットはここ以外に考えられない。カリフォルニア州ロングビーチでは、1967年に寄港したあと洋上ホテルへ姿を変えたクイーン・メリーがレースアクションを優雅に見守る。
F1がここに “寄港” したのは1976年だった。この市街地コースは他では見られなかったもので、連続直角コーナーとワイドヘアピンへ続くロングストレートを擁していた。
ここでの開催は1983シーズンに素晴らしい記録とともに終了した。なんと、超ハイパワーのターボエンジン全盛期だったにもかかわらず、ロングビーチ市街地コースではターボチャージャー搭載F1マシンが一度も優勝しなかったのだ。尚、F1開催終了後、このサーキットはインディカーレースの人気開催地となった。
06

ギア・サーキット

  • コース全長:6.11km
  • コーナー数:24
  • ファステストラップ:2分6秒317(ユーリ・ヴィップス 2019年)
  • F1開催:なし
ギア・サーキットは幅の狭さが有名

ギア・サーキットは幅の狭さが有名

© Dutch Photo Agency/Red Bull Content Pool

マカオの市街地を使用するこのサーキットでは1954年からグランプリをホストしており、現在はフォーミュラ3ワールドスーパーバイク、GTワールドツーリングカーチャンピオンシップが開催されている。
幅がわずか7mしかないセクションも含まれているギア・サーキットはF1マシンには狭すぎるため、F1カレンダーにマカオGPが組み入れられたことは一度もないが、このサーキットはF1グリッドを目指すヤングドライバーたちにとって非常に重要な通過儀礼のひとつであり続けている。
モナコ市街地コースが簡単に見えてしまうサーキットは少ないが、ギア・サーキットは間違いなくそのひとつだ。全長6.12kmのレーストラックは、ハイスピード滑りやすい路面強烈なGフォースに対応するためにコースの至近距離に配置されているクラッシュバリアが混ざり合う “危険なカクテル” によって一切容赦がない。
このサーキットは現在使用されているストリートサーキットの中で最もドラマティックと言えるかもしれないが、ミスできる余地が非常に小さいため、一瞬でドラマが悲劇に変わる可能性がある。
F3時代にこのサーキットを制しているF1レジェンドドライバーにはアイルトン・セナミハエル・シューマッハデビッド・クルサードなどが含まれる。マックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレールダニエル・リカルドのような現在のF1ドライバーたちにとっては、このサーキットでのレースはF1昇格へ向けたラストチャレンジとして機能している。
07

シンガポール市街地コース / マリーナ・ベイ・ストリート・サーキット

  • コース全長:5.06km
  • コーナー数:23
  • ファステストラップ:1分41秒905(ケビン・マグヌッセン 2018年)
  • F1開催:2008シーズン〜
ナイトレースと言えばシンガポールGP

ナイトレースと言えばシンガポールGP

© Getty Images/Red Bull Content Pool

ここまで紹介してきたサーキットはすべてストリート・サーキットだが、すべてが似ているわけではない。むしろ、それぞれがユニークな特徴を備えており、シンガポール市街地コース(別名:マリーナ・ベイ・ストリート・サーキット)も例外ではない。
この市街地コースは今回紹介しているストリート・サーキット群の中で唯一のナイトレース開催地(今シーズン開催予定のラスベガスを除く)で、ドライバーたちがまばゆい照明の下を高速で走る様子はまさにスペクタクルだ。
しかし、ナイトレースだけがマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットの特徴ではない。F1マシンがグランドスタンドの下を通過するレイアウトも有名だ。また、フィニッシュストレートがバンピーなため1980年代を彷彿とさせるスパークショーも繰り広げられるこの市街地コースはドライビングが最も難しいサーキットのひとつとしても知られている。
尚、2023シーズンからコースレイアウトが変更され、コース全長が4.928km、コーナー数が19になることが予定されている。
08

マイアミ・インターナショナル・オートドローム

  • コース全長:5.41km
  • コーナー数:19
  • ファステストラップ:1分29秒708(マックス・フェルスタッペン 2023年)
  • F1開催:2022シーズン〜
多様なカルチャー豊かな音楽性快活なムードが特徴の都市マイアミは米国11番目のF1開催地として完全に新しいフレーバーをF1に持ち込んでいる。また、このサーキットはF1を所有するリバティメディアのF1戦略の重要な一部を担っている。
シルバーストン、モンツァ、レッドブル・リンクのようなクラシックサーキットやCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)、バクー市街地コース、バーレーン・インターナショナル・サーキットのような比較的新しいサーキットを含むF1カレンダー全体が、マイアミのようなグラマラスな開催地の追加によって魅力を高めているのだ。
マイアミ・ドルフィンズのチアリーディングチームとLL・クール・Jも参加

マイアミ・ドルフィンズのチアリーディングチームとLL・クール・Jも参加

© Getty Images/Red Bull Content Pool

グリッドに数多のセレブがグリッドを訪れ、F1マシンが彼らの隙間になんとか入り込んでいたように見えるマイアミGPは “豪華絢爛” を完全なネクストレベルへ引き上げた。尚、レーストラックはNFLマイアミ・ドルフィンズの本拠地ハードロック・スタジアムを周回するタイトなレイアウトになっている。
全長5.41kmのこのストリート・サーキットはコーナー19個ストレート3本DRSゾーン3カ所を擁し、最高時速は340km/hを超える。また、ターン13からターン16までのセクションをはじめ複数のアップダウンもあり、平坦ではないコースを走りながら高速出口や複数の高架を通過していく。
09

モンテカルロ市街地コース

  • コース全長:3.33km
  • ファステストラップ:1分11秒365(マックス・フェルスタッペン 2021年)
  • コーナー数:19
  • F1開催:1950シーズン〜
モンテカルロ市街地コース

モンテカルロ市街地コース

© Getty Images/Red Bull Content Pool

すべてのストリート・サーキットの生みの親は、もちろんモナコGPで知られるモンテカルロ市街地コースだ。1929年から使用されてきたこのサーキットは1950年の記念すべき第1回F1世界選手権の開催地に選ばれたあと、1955シーズンから2020シーズン(COVID-19の影響で中止)を除くすべてのシーズンでカレンダーに含まれてきた。
モナコGPはアントニー・ノゲによって実現され、最終コーナーにはその功績を称えて彼の名前(日本では英語読みのアントニー・ノウズが一般的)が付けられている。
現行F1カレンダー最古・最短・最低平均速度のモナコGPでは長い車列が見られるときが少なくないが、ターン1(サント・デボーテ)、ロウズ・ヘアピン(フェアモント・ヘアピン)、そしてアルベルト・アスカリが1955シーズンにマシンごと海へ飛び込んだ現ハーバー・シケインでは多くのアクションが見られる。
このサーキットはF1レーシングの真の魅力を体現している。ドライバーとファンの距離が近く、ハーバーは高級ヨットで混み合い、ドライバーたちがレッドブル・エナジーステーションのプールに飛び込む。また、モナコGPはインディ500、ル・マン24時間耐久レースと並んでモータースポーツ3大レースのひとつに数えられている。
歴代優勝ドライバーにグラハム・ヒル、アイルトン・セナ、ミハエル・シューマッハが含まれるモンテカルロ市街地コースがどれだけクレイジーなのかを理解するためには以下の動画を視聴してもらいたい。ちなみに再生速度は一切編集されていない。

1分

モナコ・プレビュー

多くのF1レーサーにとってモナコはホームだ。ブレンドン・ハートレーもそう感じる人のひとり。彼はコードマスターズの『F1 2017』を利用したシミュレーターに乗り込み、2度目のホームレースについて語る。(日本語字幕)

英語

10

モンジュイック・サーキット

  • コース全長:3.79km
  • ファステストラップ:1分23秒800(ロニー・ピーターソン 1973年)
  • コーナー数:12
  • F1開催:1969シーズン〜1975シーズン
美しいモンジュイックの丘は危険を孕んでいた

美しいモンジュイックの丘は危険を孕んでいた

© Getty Images

1960年代後半から1970年代にかけてスペインGPを隔年開催してきたモンジュイック・サーキットの安全性は割れたガラスでお手玉をするのと同程度だったが、1992年のバルセロナ五輪のメイン会場となる公園を周回するサーキット自体は実に美しかった。
しかし、安全上の理由から1975シーズン限りでこのサーキットでのF1開催は終了し、のちにスペインGPはモータースポーツ専用サーキットのカタロニア・サーキットで開催されるようになった。
モンジュイック・サーキットは常に議論を呼び起こしてきたサーキットで、最後の1975シーズンではバリアが正しく設置されていないことを理由にF1ドライバーたちがボイコットを考えたが、最終的にはすべてのチームのメカニックたちが団結し、全長3.79kmのレーストラックを回って自分たちでバリアを設置して問題は解決された。
ちなみに、同シーズンのスペインGPはレラ・ロンバルディが6位入賞してF1でポイントを獲得した唯一の女性ドライバーとなったレースとしても有名だ。
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